マレーが史上初の快挙 MLBとNFLからドラフト1巡目指名

日本時間4月26日、カイラー・マレーはNFLのドラフトでアリゾナ・カージナルスから全体1位指名を受け、プロ・フットボール選手としてのキャリアをスタートした。マレーは昨年のドラフトでアスレチックスから1巡目指名を受けたものの、フットボールに専念することを選択して入団を拒否している。MLBとNFLの両方からドラフト1巡目指名を受けるのは史上初の快挙となった。

ESPNのNFLドラフト放送のなかで、マレーは「(プロ・フットボール選手になることは)子供のころからの僕の夢だったんだ」と語り、アリゾナ・カージナルスからの全体1位指名を喜んだ。「一生懸命に努力をしてきたし、僕がこの場所にいられるのは、応援してくれた全ての人々のおかげだ。感謝してもしきれないし、夢のような気分だよ」とマレー。大学フットボールの最高の選手に贈られるハイズマン賞を受賞したマレーは、一時はアスレチックス入団の意思を示したものの、最終的にはフットボールに専念することを選択した。

ただし、アスレチックスはマレーの保有権を放棄したわけではない。マレーは契約金をアスレチックスに返還しているが、アスレチックスはマレーをマイナーの制限リストに登録し、マレーの保有権を保持している。そのため、アスレチックスは今年のドラフトで、契約が成立しなかったマレーに代わる補償指名権を得ることはない。

近年の野球&フットボール選手として有名なのは、シアトル・シーホークスのエース・クォーターバックとして活躍しているラッセル・ウィルソンだ。ウィルソンは2010年のドラフトでロッキーズから4巡目指名を受け、フットボールに専念する前に、ロッキーズのファーム組織で2シーズンを部分的に過ごしている。2014年と2015年にはレンジャーズ、2018年と2019年にはヤンキースのスプリング・トレーニングに参加しており、現在はヤンキースがウィルソンの野球選手としての保有権を有している。

マレーが将来的にメジャーリーグの舞台でプレイする可能性は消滅したわけではない。とはいえ、まずはプロ・フットボール選手としてのマレーのキャリアが成功することを祈りたい。

© MLB Advanced Media, LP.