新元号「令和」初日の5月1日は大安が重なることから、婚姻届の提出が増えることが予想されている。県内の各自治体は、わが町の魅力をPRする機会と捉えて思い出づくりを演出したり、混乱回避に向けて午前0時前後に職員を配置したり、さまざまな対応策を講じている。
「事前の問い合わせも相当いただいてます。当日もかなりの方がいらっしゃるのではないかと」
そう話すのは川崎市幸区の職員。地名に「幸」の文字が含まれ、区内外からの来庁を予想する。区名も明治天皇の行幸に由来しており、職員は「訪れる皆さんの幸ある日々の始まりをお祝いしたい」と言う。
区役所正面玄関に1日からの3日間、記念撮影用の背景ボードや、令和と平成の文字を額装したパネルを用意して出迎える。
幸区のようにボードを準備し記念撮影用のブースを設けるところが多い中、異彩を放つのは海老名市だ。
庁内のデジタルサイネージ(電子看板)を活用。令和の文字や紅白の水引の帯ひもをあしらった特注画像を映し出し、これを背景に自由に写真が撮れるようにした。
記念品を贈る自治体もある。「愛が重なる町」などとしてシティープロモーションに取り組む愛甲郡の愛川町は1日、婚姻届を提出した男女のいずれかが町民の場合に町内産のコメをプレゼントする。
鎌倉市は1日午前9時から午後5時まで、婚姻届を提出した市民に市長名でお祝いの言葉がしたためられた封筒入りのメッセージカードを贈る計画だ。
一方、全国一の人口を誇る横浜市は、2000年1月1日の「ミレニアム婚」の際、日付が変わる午前0時前から夜間休日用窓口に人が並んだ過去を踏まえた受け入れ態勢を敷く。
5月1日の午前0時前後に、18ある各区役所に課長ら職員1~2人を窓口に配置する。市担当者は「皆さんに末永く幸せになっていただきたい。混乱なく、万全な態勢で当日に臨みたい」と気を引き締めている。