新天皇陛下と長崎 8回来県 平和祈念像に献花も

雲仙・普賢岳噴火災害犠牲者の遺族らにいたわりの言葉を掛けられた=1996年11月16日、島原市の仁田団地第一公園

 新天皇陛下は即位前、8回にわたって長崎県を訪問された。最初は1977(昭和52)年。学習院高等科時代に春休みを利用し、長崎市や島原半島を旅行した。3月31日、特別機で長崎空港に到着。車で長崎市に移動し、日本二十六聖人記念館や浦上天主堂などを見学した。平和公園では大勢の市民や観光客が見守る中、平和祈念像前に花を手向けた。
 案内役を務めたのは当時の市立博物館長で、今年3月に活動を終えた長崎歴史文化協会の元理事長、越中哲也さん(97)。夜は宿泊先の高級旅館「諏訪荘」に招かれ、日本や長崎の出島とオランダの関係を説明したという。越中さんは「初めは緊張したが、友達のように和やかに話してくださり、非常に丁寧な方だった」と振り返る。2時間ほど歓談したという。
 93(平成5)年に雅子さまと結婚し、ご夫妻で初めて本県を訪れたのは96年11月。国際熱帯医学・マラリア学会出席のため長崎市入りし、平和祈念像前に献花した。雲仙・普賢岳の噴火から丸6年を迎える島原市と南高深江町(現南島原市)も訪問。被災者を励まし、火砕流犠牲者の遺族をいたわった。
 2000年の日蘭交流400周年記念式典や03年の全国高校総合体育大会「長崎ゆめ総体」でも来県。最近では14年秋の全国障害者スポーツ大会「長崎がんばらんば大会」の開会式にも出席し、本県選手団や大会ボランティアを激励した。

結婚後、初めてご夫妻で長崎県を訪れ、平和祈念像前に花を手向けた=1996年11月15日、長崎市の平和公園 新天皇陛下と長崎

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