伊豆見香苗&しばたたかひろ - 売れる売れないは、"いいね"だけじゃわからない!

〜インタビュー直前までイベントの打ち合わせを経て〜

──今回はよろしくお願いいたします! ありがたいですね、たくさん考えていただいて…。

伊豆見:初めてなんで不安すぎて…(笑)。

──阿佐ヶ谷ロフト的にも初めての試みの企画があって楽しみです。

伊豆見:当日はステージで実際にそれぞれgifやこむぎねんどで作品を作って、手元の作業の様子をハンディカムで撮影してスクリーンに投影する予定です!

──gifもその場でできちゃうんですか!?

伊豆見:以外と時間かからずにできるので、いっぱいつくれちゃうかもです(笑)。ツイッターにアップするぶんのストックになるかも。

──しゃべる内容はざっくり決まったりしてるんですか?

伊豆見:そうですね、だいたい…お互いの他己紹介とかしようかなって。そのあと作品紹介とかツイッターの話し、仕事の話しを。

──お客さんでもなにか活動されてる人がくるかもしれないですし、クリエイターさんのSNSの使い方の話しは結構需要ありそうですよね。

伊豆見:ツイッターの話したくさんしよう!(笑)

──ツイッター運用法を(笑)。

立体と平面の出会い

──伊豆見さん、しばたさんの出会いというのはどういった始まりだったんですか?

伊豆見:最初、大学の同級生で私が一方的に知っていて『一緒にデザフェス出ようよ』って誘ったのがきっかけですね。

──しばたさんを誘ったのはどういった理由だったんですか?

伊豆見:単純に作品を見て”面白いな”って思ったので声かけた感じですね!

──しばたさんは誘われてどうでした?

伊豆見:最初の印象どうだった?(笑)

しばた:最初は…なんかすっごいチャラチャラしてるイメージだったんですよ、常にまわりに男を従えているような。

伊豆見:言い方悪いよ!(笑) 単純に学校の男女比の問題で男の子の友達が多かっただけです!(笑)

しばた:まあでも話していくうちに作品のテーマとか結構好きな部分があって『意外とチャラくないのかな』って(笑)。

──作品を見て印象がちゃんと良くなって。

伊豆見:しばたくんは意外と喋ってみたら喋れるなっていう…作るものが結構暗いんだけど。

しばた:暗いんだよねえ。

──お二人とも学生時代はアニメーションを?

しばた:アニメーションっていうか、映像全般ですね。実写もやってました。

伊豆見:私は絵を描くのが好きだったんでアニメーションもやってみようかな〜って感じで。しばたくんは実写メインでやっていたよね。人物モチーフだったり…なんて言ったらいいのかなあ。

──物語があるようなものではなくって…。

しばた:っていうよりは、短時間で感覚的に楽しむような映像作品ですね。

伊豆見:絵がキレイなんです!

──PVとかMVみたいなイメージであってますかね?

しばた:ただ学生の持ってるお金で表現できる実写の世界観ってどうしても狭いじゃないですか、なので必然的にアニメーションに移っていったという感じですね。

伊豆見:どちらかというと私は結構デジタルの方が得意だったので、そっちでやってみたりアナログでもやってみたり。実写とアニメーション半々にしたりして試したりしてみましたね。アニメーションなんですけど、背景だけ実写で立体でジオラマ作ったりとかして。

──ジオラマ! 緻密な作業でしょうね…。

伊豆見:それがいまに繋がったりね。

しばた:こむぎねんどにね。

──そういう繋がりが! ジオラマでもこむぎねんどを使ったりしていたんですか?

しばた:ジオラマは素材こだわらずに作ってましたね、立体を作るのが好きだったので。

伊豆見:めちゃくちゃ凄かったですよ、私は平面のものしか作ってこなかったので立体ができなくて…いまやってるえっびっも平面じゃないですか、立体になるイメージがあまりわかなくて、ぬいぐるみになったら『あっ、こうなるんだー!』って(笑)。実際描いてる時は立体感とか意識してないんで…だから立体ができる人は凄いなって。

──平面と立体でお互いのいいところが出てるんですね。伊豆見さんも映像を…?

伊豆見:そうですね、私、沖縄出身なんですけど、高校生の時とかは本当に受験を終わらせたくて、美術大学にAOで受けて受かって、その後ひまだったので親のカメラを借りて写真を撮ったりして遊んでました。なので写真とかは好きだったんですけど、大学入ってみてから課題とかで写真をやってみると楽しくないな、違うな、って。情報が入るんですよ。『楽し〜』って撮る分にはいいけど情報が入ると…。

しばた:あぁ、第三者に見せるってなると気軽じゃなくなるよね。

伊豆見:意識したり、一瞬で撮れる面白いやつも「これでいいのかな?」って迷っちゃったり。だから写真はなんか違うなあって思ってアニメーションの方が面白いな〜って。

──美大とか学校に入るといきなり評価とか出てきちゃいますよね。

伊豆見:せやねん…せやねん…。

しばた:急になに!?(笑)

学生時代について

──普段もよくお二人で集まったりするんですか?

伊豆見:そうですね、わりと〜。

しばた:未来について話し合ったりしてますね、どう生き残るか、みたいな。

伊豆見:そうそうそう。ガストで。大学の時はそんな感じじゃなかったけどね〜。

しばた:そうだね、そのときが楽しければいいみたいな

──大学生のときからこれになりたい! ってモノはあったんですか?

しばた:自分はやっぱりアニメーションで食べていきたいって思ってました。自分の絵のテイストで…だから作家かな? 社会人になるって気はまったくなかったんで、作家として食べてくために頑張ろうって思ってました。

伊豆見:私が大学の時は作家とかよくわかってなくて、『なれたらいいな』っていうのはあったんですけどモヤモヤしてて。アニメーション作家さんのアシスタントをしてて会社に入っていたんですけど、バイトも含めて1年間で辞めちゃって、どうしよう〜ってなってたときにまわりの人たちが助けてくれて。映像できるってよ、編集できるってよ、って人づてで紹介してもらえたり、知ってもらえて、キャラクターを描いたりしてちょっとだけ知名度が上がったりして、っていうのがまわりの人たちから助けられていまがあるんで、とりあえずその人たちに恩返しがしたいなあって思ってます。でもまだやっぱ全然できてないことばかりなので頑張っていきたいですね!

──できてないことないと思いますけどね、gifもLINEスタンプもこれだけ認知度があって…ぬいぐるみも発売されるんですよね?

伊豆見:そうですね、えっびっのぬいぐるみが6月に発売される予定です。こうやってこれからもちょっとづついろんなことができたらなあと思ってますね。

──しばたさんはどうでしょう。

しばた:まあ、最終的にはアニメーションで食べていきたいので今はある種の時間稼ぎみたいなところもあって。

伊豆見:だから修士までいってね。

──そういえば最近卒業制作に追われてましたよね。

しばた:ああ〜、その間に2000人フォロワー減ったんですよね…。

──えぇ〜!!

伊豆見:しばたくんのフォロワーはこむぎねんどが見たいフォロワーだからね。

しばた:ああ、そうだよね。うまく生きていかないといけないなって思ったから、最近は『こむぎねんどのひと』っていうよりは、『しばたの発想が面白い』って思ってもらえるようにしていて。

伊豆見:これもできる、あれもできる、ってアピールしていくのは強みだからね!

──ツイッターっていろんな人が見てるし、仕事のアイディア探ししてる人ももちろんいるからアピールは有効ですよね。ある種のポートフォリオ的な。

しばた:そうやってSNSを通じて『しばたが面白い』って思ってくれた人がいたら必然的にアニメーションも見てくれると思うんですよね。

伊豆見:がんばろっ!!

KAWAII世代

伊豆見:今後の目標とかないの?

しばた:ないよ!(笑)

伊豆見:ないわけないでしょ!(笑)

しばた:えぇ〜…あ、でも携帯に『目標リスト』ってのがあって。

──おお〜! 目標リスト!?

しばた:最初は、『院合格』とか『ヴィレヴァンデビュー』とか『フォロワー2000人越え』とかあったんですけど、最近は『ツイッターの公式マークを得る』っていう(笑)。

伊豆見:あぁ〜!

しばた:無名だともらえないからね。

伊豆見:ユーチューブとかでも活動したらいいのに。作業工程の早回しとかして…。

しばた:一応、名前だけ決めてて…『ラブメロディ』っていう(笑)。

──ラブメロディ!?(笑)

伊豆見:きっっっっしょ!!!!(笑) なんで!?

しばた:かわいいかなって…(笑)。

伊豆見:かわいいか!?(笑)

しばた:まあ、とにかく目標はいろいろあります…。

──なるほど(笑)。お二人とも「かわいいもの」がもともとお好きだったんですか?

しばた:どうでしょう、『KAWAII』を通過してきた世代っていうのもあるんじゃないですかね。増田セバスチャンさんとかきゃりーぱみゅぱみゅさんが流行っていたので、デザフェスでもカラフルなものを多く作ったりして。

伊豆見:そこでも鍛えられた感じするよね、KAWAIIを通過したから。

──ちゃんと流行りもチェックして…。

しばた:デザフェスでの流行り廃りも目に見えてわかるので、マーケティングの部分での勉強になりましたね。

伊豆見:勉強になったね。本当にお金を出して買ってもらえるっていう実感がデザフェスならではだよね、ネットではわかんないし。家とかでSNSみて作ったりしても、売れる売れないはわからないじゃないですか、”いいね”だけじゃわからないよね。

しばた:名言ぽいね、『”いいね”だけじゃわからない』(笑)。

5/4は『伊豆見香苗としばたたかひろのおはなし会』@阿佐ヶ谷ロフトへ!

──最後にトークイベントの意気込みと特典のお話を聞いてもいいですか?

伊豆見:人がたくさん来てくれるといいな…! 来場者にトートバックとメインビジュアルのシールを配布予定です!

しばた:僕は自分の顔写真の缶バッヂを…。

──実写の?(笑)

しばた:はい、僕のすごく怖く映った証明写真があって…それに『ラブメロディ』っていれようかな…。

伊豆見:ウワァーー!(笑) それだ! 決まりだ! ハート型にしよう!

──欲しい!(笑) そんな豪華な来場者特典もありつつ、イベント内容もインタビューでは書けないような(!?)お話や特別な企画も準備していますのでぜひ、イベントにも足をお運びください!

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