北鎌倉湧水ネット、「さくら功労者」に 里山再生に尽力

表彰の喜びを語る野口さん。代表を務める市民団体が整備し、展望台からの視界が向上した =鎌倉市高野

 桜の保護や育成に取り組む団体などを表彰する公益財団法人「日本さくらの会」の「さくら功労者」に、鎌倉市の市民団体「北鎌倉湧水ネットワーク」が選ばれた。

 同団体は市所有の六国見山森林公園(同市高野)を拠点に、2011年1月から草刈りや間伐、主に広葉樹330本の植樹など、荒廃した里山の再生や保全に取り組んでいる。

 地域住民ら6人が中心になり、木が生い茂っていた園内を整備。日当たりが良くなって山野草が開花し、視界が開けて同公園の展望台から富士山や都内まで望めるようになった。

 同団体代表の野口稔さん(70)=同市高野=は活動を始めた頃、ヤマザクラの巨木2本を見つけた時のことを覚えている。下草を刈っていたところ、花びらが落ち、見上げた先に薄いピンク色が広がっていた。

 「これまでは木で囲まれ、あまり目につくことがなかった。感動した」と野口さん。園内は今、多くの花見客でにぎわうまでになった。野口さんは「これからも、より質の高い桜の名所を目指したい」と話している。

 19年度は全国で46の個人・団体が功労者に選ばれた。

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