ピナレロ・ドグマがF12へモデルチェンジ

F10をさらにブラッシュアップ

ドグマF12は、幾多のレースで勝利を収めたドグマF10を凌ぎ、再びグランツールを制覇するバイクとなるべく開発された。これまで蓄積されたエアロダイナミクスおよび構造力学的な知識や経験を生かし、「F」の称号を与えるにふさわしいバイクとなるようデザインされている。

開発にあたって特に留意されたのは、エアロダイナミクス特性の向上、フレームの軽量化と剛性アップ、最新コンポーネントとの互換性、ピナレロフィーリングの維持、これらがドグマF12の開発コンセプトだ。発表されるニューモデルで気になる点であるブレーキシステムについては、ディスクブレーキとリムブレーキに対応した2モデルがある。

外部に露出している各種ケーブルの内装化を進め、ケーブルハウジングが受ける空気抵抗の85%を軽減。

新しくドグマF12のために開発されたMOST Talon Ultraインテグレーテッドハンドルバーは、従来のTalon Aeroと比較して空気抵抗を5%軽減している。そしてTalon Ultraと組み合わせるスプリット構造のエアロヘッドセットも新たにデザインされた。ディスクブレーキモデルでは、ワイヤ類がフレームにフル内蔵される設計になっている。

MOST Talon Ultraインテグレーテッドハンドルバー。空力特性の向上と同時に、8.77%の剛性アップ、10%の軽量化を達成
新型ヘッドスペーサー

フロントフォークも空力学的に非常に重要な部分であり、またピナレロフィーリングを生み出す部分でもあるので、非常に注意深く見直しが検討されている。新しいF12フロントフォークは、「ONDA」の形状を維持したまま空気抵抗を軽減するため側面が拡大されている。そして断面形状も見直された結果、F10とF12のフロントフォークをCFD解析で比較した結果、F12フロントフォークは15.7%の空気抵抗を軽減。

ドグマF12ディスクのフォークデザインは、FEM解析で得た36パターン以上のサンプルで試験した結果、重量を増やさず、空力的ペナルティを伴わずに、ねじれを減らす最良のフォーク形状を見つました。この新しいフォークデザインは、以前のものと比較して40%以上もねじれ効果を減らすことを可能にしました。

リムブレーキ仕様では、従来より効果的で強力なブレーキシステムとして「ダイレクトマウント」を採用、ブレーキ台座を可能な限りモノステイ/フォークヘッドに近づけることにより、フレーム剛性を高め、タイヤクリアランスも十分に確保している。従来のピボットシステムと比較して、ダイレクトマウントバージョンでは12.5%(ドライ状態)から25%(ウェット状態)もの制動力が向上。

構造デザイン

ダウンチューブ、ヘッドチューブ、ボトムブラケットなど、あらゆる箇所で空気抵抗を削減する試みを取り入れバイク単体で7.3%の空気抵抗を削減することに成功し、ドグマF12とドグマF10で時速40kmの同条件での走行を比較すると、ドグマF12の方がパワーを8wセーブして走行できる。

チューブの断面と形状は、剛性と軽量性を確保するために非常に重要な要素です。 同時に、空気力学にも大きな影響を与える。 それらの性能をさらに改善するため「アシンメトリック」デザインの可能性を追求。特にボトムブラケット~チェーンステイのエリアにおいて、パワー伝達効率の改善は、F10と比較して剛性が10%向上している。ブレーキ仕様の違いによる構造変化も大きな検討課題だった。DOGMA F12はディスクブレーキ、リムブレーキ、それぞれのシステムに適した構造を同時に開発しているという。

専用ハンドル・ステムのほか、ノーマルステムにも対応

あらゆるタイプのライダーに適合させるには、汎用性が非常に重要な要素となります。最新コンポーネントへの対応はもちろん、従来のトラディショナルなコンポーネントへの対応も必要とピナレロは考えている。

ドグマF12のE-Linkシステムは、シマノDi2、スラムAXS、カンパニョーロ EPS、メカニカル変速システムのすべてに対応。また、Talon Ultraとの組み合わせが最良だが、ポジションなどン問題で従来のハンドルステムを使用する場合に備えて、トラディショナルステム用のステムアダプターも開発した。

ノーマルステムを使用した場合のケーブルルートとヘッドスペーサー
E-Linkシステム

ジオメトリー

DOGMA F12ディスクとDOGMA F12は、同じサイズで同じ形状。 その形状は、ドグマF10のハンドリングおよび反応性の良さを引き継いでいます。 唯一の違いは、よりスポーティーなライダーのニーズを満たすためにサイズ53以上ではヘッドチューブが5mm短くされている点だ。

ドグマF12ディスクおよびドグマF12では、ヘッドセット・トップキャップはフレームと統合されているため、リーチおよびスタックの寸法はロートップキャップ(9mm)の上側で計算されている。

スペック

DOGMA F12 DISK
Carbon Torayca T1100 1K Dream Carbon with Nanoalloy Technology
Asymmetric Frame
Fork ONDA F12 with ForkFlap™
AICR™ All Internal Cable Routing
E-Link™
Drop in Bearing System 1” 1/2 - 1”1/2
Italian thread BB
Seatclamp TwinForce
3XAir™ two positions available for the second bottle
FlatBack Profile
UCI Approved
RAD SYSTEM Disk brake
Front Axle 100x12mm Shimano®
Rear Axle 142x12mm Shimano®
Disk Flat Mount max 160mm
Max Tyre 700x28mm
Weight: 840g; (塗装前)

DOGMA F12
Carbon Torayca T1100 1K Dream Carbon with Nanoalloy Technology
Asymmetric Frame
Fork ONDA F12 with ForkFlap™
AICR™ All Internal Cable Routing
E-Link™
Drop in Bearing System 1” 1/2 - 1”1/2
Italian thread BB
Seatclamp TwinForce
3XAir™ two positions available for the second bottle
FlatBack Profile
Direct Mount Brake system
UCI Approved
Max Tyre 700x28mm
Weight: 820g; (塗装前)

希望小売価格(税抜)
DOGMA F12 DISK フレームセット 73万円
DOGMA F12 フレームセット 70万円
DOGMA F12 DISK D/A Di2 完成車 1,37万円
DOGMA F12 D/A Di2 完成車 130万円

※フレームセットにはシートポストが含まれます。
※MOST Talon Ultra インテグレーテッドハンドルは別売りです。価格は後日発表となります。

入荷は6月末頃より完成車先行で順次入荷予定
初便入荷予定カラー
F12 完成車 / URANUS Black/Red、BOB
F12 DISK 完成車 / URANUS Black/Red
F12 & F12 DISK フレームセット / URANUS Black/Red、BOB

※チームイネオスやGALAXY BLUEなどは今後ラインナップに追加される予定

DOGMA F12 DISK 432 URANUS BLACK RED
DOGMA F12 429 URANUS BLACK RED
DOGMA F12 DISK 430 BOB
DOGMA F12 427 BOB

© 株式会社八重洲出版