【MLB】菊池雄星、次回登板は9日ヤンキース戦! バウアーも絶賛「アンビリーバブルだ!」

マリナーズ・菊池雄星【写真:AP】

サービス監督、敵軍バウアーも絶賛する好投を見せた菊池

 マリナーズの菊池雄星投手の次回登板が、8日(日本時間9日)敵地でのヤンキース戦に決まった。4日(同5日)に球団広報が発表した。菊池は前日3日の登板で2度目の対戦となったインディアンス打線を相手に好投。今季最長となる7回を投げ3安打1失点。奪三振数でも移籍後最多となる10個を積み上げた。

 サービス監督はこの日の試合前の会見で前夜を改めて振り返り、最速97マイル(約156キロ)を計測した直球を絶賛した。

「球速だけではなく(回転のいい)伸びのある生きたボールは制球も良く、バットで捉えるのが難しい高めを上手く使っていた。そういう直球であれば打者を追い込んでからの球(変化球)は完成されたものでなくてもよくなる。なぜなら、打者は直球に(意識を)備えなければいけなくなるからだ。昨夜は軸になる直球がしっかりと築けたので、10個もの三振が取れた」

 レーダーや高性能カメラを利用した精密なデータを出すスタットキャストによると、疲労の軽減から“1回限定の先発”となった前回4月26日の登板を抜かし、メジャー初登板からの6試合では、直球の球速が平均93.1マイル(約150キロ)だったのに対し、昨日の登板では平均94.4マイル(約151キロ)へと上昇している。

独特なチェンジアップの握りを見せるインディアンスのトレバー・バウアー【写真:木崎英夫】

菊池は約3週間ぶりにバウアーと再会を果たし談笑

 さらに、敵チームからも称賛の声が上がった。

 4月半ばのシアトル遠征で投球について意見交換をして以来、親交を深めるインディアンスの好投手バウアーに感想を求めると、打者を打ち取るプロセスの運びに感嘆。

「敵ながら見ていて楽しめる投球だったね。軸にした下は91マイルから上は97マイルの直球を見事に使い分けて、それに制球されたスライダーを混ぜる。時には落差のあるカーブを入れて各打者のタイミングを外していた。(持ち球を)しっかりつなげていく投球は本当に見事だったね。4月にボールのリリースについてアドバイスを求められたチェンジアップも投げていたね。昨晩の彼はアンビリーバブルだ!」

 前夜には日本でも投げたことのないと言う、右打者の外角に曲げるスライダーも投じた菊池。実証的な根拠のある93球に「すごく収穫の多い試合になったと思います」と納得の表情を見せた。

 この日、寒風が吹きすさぶフィールドでキャッチボールやランニングなどで軽めの調整を行った左腕は、投球練習を終えたバウアーと約3週間ぶりの再会を果たし、しばし談笑を楽しんでいた。(木崎英夫 / Hideo Kizaki)

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