生活道路でスピード出す車 後絶たず 「ゾーン30」有効性検証、大和市

「ゾーン30」の路面標示がある大和市内の住宅地

 神奈川県大和市は4月から、東海大と生活道路の交通安全対策の一環で整備している「ゾーン30」区域の路面標示の有効性を検証する共同研究を始めた。通過するドライバーの認知度を高め、事故防止につなげる取り組みだ。

 同市では、車の走行速度や通り抜けの抑制を目的に区域を指定して速度を30キロに規制するゾーン30を2013年度から順次に整備している。これまでに県公安委員会の指定を受け、下鶴間や中央6丁目、林間1丁目など計10区域181.5ヘクタールで導入した。

 共同研究はこのうち2区域をモデル区域に選定、現行の路面標示の方法や位置の有効性を検証する。新たな標示法も検討、試行前後の通過車両の速度を測定して効果を確かめる。作業期間は20年3月まで、結果を報告書にまとめる予定としている。

 ゾーン30は、生活道路における歩行者の安全確保策。幹線道路に囲まれた住宅地を対象区域(ゾーン)に定めて速度を30キロに規制する。30キロを超えると、衝突時に歩行者の致死率が急激に高くなるためだ。

 警察庁の整備方針では、法定速度の規制標識に加えて、交通管理者である地元自治体が視覚効果の高い法定外の表示や、道路に凸部を設ける「ハンプ」、道幅を狭める「狭さく」といった道路改良などを実施することを求めている。

 市道路安全対策課は「生活道路を抜け道に使う際にかなりスピードを出している車両が散見される。ゾーン30の対策自体を知らない運転者もまだいると思われる。事故防止のため、共同研究により周知効果の高い標示方法などを見いだしたい」と話している。

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