【動画】島原半島・雲仙岳災害記念館 記憶と教訓…後世に伝える

雲仙・普賢岳噴火災害の記憶と教訓を伝える雲仙岳災害記念館(手前左側の建物)。向こうには平成新山などの山々が広がる=島原市平成町

 曲線美とステンレスで覆われた近代的デザインの外観が特徴的な島原市平成町の雲仙岳災害記念館。陸側には雲仙・普賢岳の噴火活動で形成された平成新山。火山活動が生み出したダイナミックな造形と人工物との対比が夕日に映える。
 1990年11月から96年6月の終息宣言まで約5年半に及んだ普賢岳噴火災害。同館は災害の記憶と教訓を後世に伝えるため県が整備し、2002年に開館した。昨年の大規模改装で、普賢岳に見立てたトランポリンやボルダリングなど、子どもが遊びながら大地の営みに興味を持てる展示が新たに登場。昨年は前年の約3倍に当たる約25万人の来館者でにぎわった。
 43人が犠牲となった1991年6月3日の大火砕流惨事から間もなく28年。噴火災害を知らない世代が増える中、宮脇好和館長は「伝えることが使命」と話す。職員の長門亜矢さん(37)は当時小学3年生。避難生活など自身の経験を来館者に語る。「語り部がつないだバトンを次の世代に渡したい」

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