■今月の人■
松尾バルブ工業株式会社 専務取締役
松尾 直樹 さん
スポーツを通して身につけた「基礎」と「反復練習」がものづくりにも活かせることを実証していきたい
小学生のときは野球、中学でバドミントン、高校ではサッカーとスポーツに親しんできた松尾さん。スポーツ万能かと思いきや「もともと運動は得意なタイプではなかったんです」。そんな松尾さんが大切にしているのは「基礎」です。「今自分が出来ないことも、基礎の反復練習をすることで出来るようになると思ったんです」。強い人は同じ基礎練習を何度も反復していることに、中学生の時に入ったバドミントン部で気付きました。やがて、それを実践することになる人生の転機が訪れます。1994年のサッカーW杯のとき同級生から優勝チームを当てないかと誘われたことをきっかけに嫌いだったサッカーをTV観戦。そこで「『キャプテン翼』そのもの」というオーバーヘッドキックを見て「こんなプレーが出来るようになりたい!」と思い、バドミントン部の練習後に一人サッカーの練習を始めました。そして高校でサッカー部に入り持ち前の反復練習でレギュラーに。大学時代も彦根市のクラブでプレーを続け、社会人になってフットサルに転向。約10年前にチームを立ち上げプレーを楽しんでいます。練習は月に1、2回。メンバーと練習相手のチームに声をかけ、実戦で技術を磨いています。
仕事で製造販売に携わるバルブは液体を流す、止める、流量を調整するための機械で水や空気、原油など生活に必要な物資を供給するのに欠かせないもの。もともと環境問題に関心のあった松尾さんは「バルブ製造を通して社会に貢献できると思っています」と環境とのつながりを意識して仕事に取り組んでいます。これまで営業一本でしたが、今年から旋盤加工・機械加工の勉強を始めました。「基礎と反復練習がものづくりの現場にも活かせることを実証したいんです」。若手社員を自社のバルブを搭載した船に乗せて社会とのつながりを感じてもらうなど、人材育成にも力を注ぐ松尾さん。基礎を大切にするその生き方は地道に、そして確実に彦根を変えていく力になりそうです。
松尾バルブ工業株式会社
取材:2016年12月