世界をむすび、衛星通信を守りつづけて50年 日本の衛星通信の玄関口・KDDI山口衛星通信所

▲赤道上空3万6千キロに浮かぶ通信衛星とやり取り

 5月10日(金)に開所50周年を迎える、世界最大級の衛星通信所であるKDDI山口衛星通信所(山口市仁保中郷)。節目の年を祝うとともに、同所の役割やこれまでの足跡を紹介する。

 山口衛星通信所は、1969年5月に、当時の国際電信電話(現KDDI)の衛星通信所として開所した。インド洋上空と太平洋上空両方の通信衛星を見通すことができ、地上のマイクロ回線との相互干渉および台風や地震などの自然災害も少ないという立地条件を備えた、世界でも最大級の衛星通信所だ。

 現在は、インド洋と太平洋上空の衛星を介して世界約30カ国・地域と、電話・ファクス・インターネット及びテレビジョン伝送などの国際通信サービスが取り扱われている。また、同所の国際衛星通信システムは、光海底ケーブルでは接続できない対地(島しょ部・船舶等)との通信、海底ケーブル回線との二重ルート化等も可能だ。

 2007年3月には、日本で初めて開所した同社茨城衛星通信所の閉所に伴い、同社国内唯一の国際衛星通信拠点となった。単に電話などをつなげるだけではなく、「思い」や「笑顔」をつなげていきたいと日々の運用・保守を行いながら、24時間365日体制で衛星通信を守っている。

KDDIパラボラ館

 衛星通信所に隣接するKDDIパラボラ館では、通信の仕組みが展示やクイズ、映像を通して学べる。エントランスホールでは、アリアンロケットと通信衛星の模型が展示され、通信衛星から見える地球を体感できる「コズミックロード」では宇宙空間を歩いているよう。

 また、通信の仕組みを迫力ある映像で紹介するコーナーをはじめ、パラボラアンテナの実物と通信衛星の模型、海底ケーブルの敷設・修理で使われる船の模型、光海底ケーブルなどの展示、パラボラアンテナに関するクイズが出題される「通信Q&A」コーナーもある。さらに、パラボラアンテナ群が一望できる展望室では四季の風景が楽しめ、隣接する「いこいの広場」ではパラボラアンテナを背景に記念撮影もできる。

 入館は無料で、開館時間は午前9時半から午後4時半まで。月曜は休館。

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