祈り込め 島原・第三小でろうそく作り 普賢岳・大火砕流28年控え 来月3日の追悼行事で点灯

ろうそくに追悼の言葉や絵をかく児童=島原市立第三小

 雲仙・普賢岳噴火災害で43人が犠牲となった1991年6月3日の大火砕流から28年になるのを前に、長崎県島原市広馬場町の市立第三小(出田浩芳校長)の3年生48人が7日、追悼のろうそく作りに取り組んだ。

 地元有志や雲仙岳災害記念館(島原市平成町)などが2007年度に始め、13年目。同記念館職員やボランティアらが本年度は、島原半島3市の小、中学校計18校に出向いて製作を指導する。6月3日夜には同記念館前での追悼行事「いのりの灯(ともしび)」の際、完成させた約千本がともされる。

 第三小では、同記念館語り部ボランティアの満行豊人さん(81)=同市小山町=が、水無川流域を一気に駆け下った火砕流や、木々が焼失した千本木地区の様子などを写真を示しながら説明。「亡くなった人の家族の立場になって、ろうそくを作ってほしい」と呼び掛けた。

 ろうそく作りでは、児童らが牛乳パックに流し込まれたろうを水で冷やして固め、「やすらかにねてください」といった言葉や、花や海などの絵を思い思いにかいた。噴火する普賢岳を描いた西田凛一朗君(8)は「ずっと山が静かであってほしい」と話した。

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