川崎市の待機児童4人減 「保留」も4年ぶりの減

川崎市役所

 川崎市は7日、認可保育所などに入れない市内の待機児童数(4月1日現在)が14人で、前年比で4人減ったと発表した。福田紀彦市長は7日の定例会見で「待機児童ゼロを達成できなかったことは残念だが、現在取り組んでいる対策を継続することが大事だ」と述べた。

◇市長「対策の継続大事」

 市によると、認可保育所などへの利用申請者は、前年比1702人増の3万3471人で、過去最多を更新した。このうち希望通りの保育所に入れた児童数は3万699人となり、前年比で1890人増えた。

 市はこの1年で認可保育所や小規模保育園などの整備で受け入れ枠を1953人分増やし、3万435人と過去最大の定員を確保した。しかし、就学前児童の41.5%が利用を申請。申請率は過去最高で、受け入れ枠の増加分では対応しきれなかった。

 就学前児童数が市全体で減少する中、新川崎駅(幸区)や武蔵小杉駅(中原区)周辺での大規模マンション開発による転入増と共働き世帯の増加が、申請率の上昇につながったとみられる。申請率はここ数年、約2.5%ずつ増えており、市は今後も同様の傾向が続くと見込んでいる。

 一方、申請者のうち、希望した認可保育所などに入れなかった「保留児童数」は前年比188人減の2772人となった。保留児童数が減少したのは4年ぶりで、市保育所整備課は「認可保育所を毎年継続して整備してきたことが保留児童減少の要因の一つになっている」と分析している。

 待機児童14人を区別でみると、大規模マンションの開発があった幸区が8人と最も多く、今後も複数棟の大規模マンション建設が予定されている中原区が5人と続いた。宮前区は1人だった。年齢別では0歳児4人、1歳児7人、2歳児1人、3歳児2人だった。

 福田市長は「近年、保育所への申請率は相当な勢いで伸びてきている。希望の保育所に入れる環境を整えるのが私たち行政の究極的な目標。申請率が今後も伸びることは想定しており、受け入れ枠の整備をぬかりなくやっていく」とした。

 市の待機児童は2015年に初めてゼロとなり、17年にもゼロを達成した。その後、厚生労働省が保護者が育休中でも復職意思がある場合は待機児童に含めるよう定義を変更。新定義を初めて適用した18年は18人に増えた。

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