洋画家の北久美子さん死去、73歳 独特の具象画

個展会場で本紙のインタビューに応じる北久美子さん=1991年6月、トーヨコかなしんギャラリー(横浜市中区)

 洋画家の北久美子さんが6日、病気のため横浜市内の病院で亡くなっていたことが、関係者の話で分かった。73歳。自宅は横浜市金沢区。二紀会や女流画家協会の委員、二紀会神奈川支部支部長を務めた。お別れの会などは未定。

 北さんは1945年大阪府生まれ。66年に二紀展初入選、90年には安井賞を受賞した。約50年にわたって横浜で暮らし、百貨店や横浜市内のギャラリーなどで個展を開いた。2008年に大阪芸術大美術学科教授に就任。13年に画集「北久美子作品集」を出版した。

 1990年には神奈川新聞創業100周年を記念したオリジナル作品「潮風」を制作。青を基調とした港と、真っ白なカモメのコントラストが鮮やかな絵画で「彼方から潮風が吹いてくる。どんな夢を、新しい世紀に運んでくるのだろう。」などと、横浜港へ思いを寄せた言葉も添えた。

 最近も後進の指導に当たるなど精力的に活動し、7日から横浜市民ギャラリーあざみ野(横浜市青葉区)で始まった「神奈川二紀展50回」(13日まで)にも出品。節目の展覧会を楽しみにしていたという。

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