【緊急時だけじゃない】 小さいのに何役もこなす!おすすめ『ツェルト』比較 山の中はいつ何が起こるかわかりません。登山時に『ツェルト』を携帯し、使い方を理解しておけば、万が一の事態に陥った時に自分の身を守ってくれる大切な道具となります。ファイントラックやモンベルなど、各メーカーには軽量・コンパクトで評価の高いモデルが多数。自分のスタイルに合ったツェルトを見つけることで、登山をもっと安心して楽しめますよ。

持って行かない理由がない! 手のひらサイズの命綱『ツェルト』

mont-bell U.L.ツェルト(240g)

『ツェルト』とは、遭難時や雨風が強い時などに身体を体温低下などから防ぐ簡易テントのこと。仮に緊急事態に陥り、雨風に打たれながらビバーク(※)したとして、この「ツェルトも持っていたかどうか」「使い方を理解していたかどうか」が生死を分ける可能性さえあります。
※)ビバークとは、緊急的に外で一夜を過ごすこと(あらかじめ予定してビバークをする場合もあり)

▼ビバークについてもっと詳しく

知っているのと知らないのでは大違い!緊急時のビバーク方法
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「テント」「シェルター」「タープ」との違いって?

それぞれ野営に使われる道具ではありますが、その用途は全く異なります。
各アイテムの特徴をおさらいしてみましょう。

【ツェルト】

特徴…体にかぶせることで体温低下などから身を守る。固定することで簡易テントになる
利点…軽量、コンパクト、被るだけですぐに使える
欠点…テントよりも防水透湿性が低い。設営には慣れが必要
用途…緊急時のビバーク。ビバークを想定した山行

【テント】

特徴…一般的にインナーテントの上にフライシートを重ねる二層構造になっている。ポールを取り付けることで自立し、ペグ等を使うことで頑丈に固定できる
利点…安心感がある。しっかりとした室内が確保されるため、居住性が高い
欠点…重い(ツェルトと比べて)
用途…テント泊を想定した山行。アルプス縦走など

【シェルター】

日本ではツェルトとほぼ同様のものを指し明確な違いはない。居住性のあるツェルトよりもさらに簡易的なものを「シェルター」として呼んでいるメーカーが多い

【タープ】

特徴…シートのような1枚生地を屋根状に張り、日差しや雨を防ぐことができる
利点…軽量、コンパクト。自然をダイレクトに感じられる。いざという時には体に巻きつけてツェルト代わりにもなる
欠点…横殴りの雨風には太刀打ちできない。居住性がない。虫に刺されやすい
用途…テントやツェルトの上に張ることで雨を防ぐことができる。タープのみの露営は沢登りでよく使われる

ツェルトって登山に行くときは絶対に必要?

「急な体調不良によって動けなくなってしまった…」「天候が急変した…」「メンバーが疲労のため動けなくなった…」など、いつどんなことが起こるかは誰にも予想できません。

日帰り登山のようにテント泊装備を携行していないときこそ、1つ備えるように心がけましょう。ツェルトは軽量・コンパクトで携行しやすいものが多く、一人用のものはスマートフォンと同じ程度の重さ・大きさです。
荷物だと思うと重さも気になりますが、登山に行く時の「お守り」だと思うと、なんだか安心しませんか?

▼ツェルト本人が語る!? ツェルトの魅力や必要性

〈いまいち影の薄い”ツェルト”〉そんな彼女が登山者に伝えたいコトとは・・・。
登山に行く時はできるだけものを減らして、軽くしたいというのが本音。でも、本当に必要な装備を忘れていませんか?編集部で〈日帰り登山のギア...

→ここからは、サイズ・タイプ別におすすめのツェルト8モデルをご紹介!

設営不要! かぶるだけの手軽な1人用ツェルト

かぶるだけでOKの1人用ツェルトはサッと出してパッと使えるのがポイント。安価なモデルもあるので「ビバークするような山には行かないよ」という方も持っておいて損はありません。

【105g】<アライテント> ビバークツェルト ソロ

安い・軽い・コンパクトの3拍子がそろった高性能ソロツェルト。かぶって使うことだけを考えて設計されており、ベンチレーターから顔を出してポンチョのようにザックごと被ることもできます。

【170g】<ジュウザ フィールドギア> エム・シェルター1 ウルトラライト

いざという時、初心者でも迷うことなくサッと使える超簡単な個人用シェルター。2人がしゃがめる広いしっかりとした空間が生まれるのが特徴。緊急時だけではなく休憩時の使用にもおすすめです。

スペック比較

1つ2役以上! ポンチョにもなる1人用ツェルト

ポンチョ機能を持つツェルトは「雨具、ザックカバーを忘れた!」「寒い…」という時の簡易雨具・防寒着・ザックカバーとして活躍します。緊急時だけでなくとも色々使える、持っていると便利なアイテムです。

【120g】<ファイントラック> ピコシェルター

スペースも重さも気にならない、圧倒的軽さを誇るツェルト。サッと取り出して被って使用できるのはもちろんのこと、ロープを張って固定をしたり、ベンチレーターから頭を出してポンチョとして使用できます。

【170g】<オクトス> NEW透湿防水ツェルトポンチョ

ポンチョとツェルトが融合した画期的な商品。緊急時に行動(避難)が必要な場合や雨除けの装備としても使用可能。形状がポンチョ状になっているので、直感的に使いやすい構造になっています。

スペック比較

大人2人が横になれる! 1~2人用ツェルト

上で紹介したツェルトに比べ居住性が高く、幕営に向いているのが特徴。ツェルトをテント代わりにしての軽量山行をする場合は、このタイプがおすすめです。

【230g】<ファイントラック> ツエルト1

移住性と軽量性を追求したビバーク用ツェルト。大人2人がなんとか横になれる最小限の移住空間を確保しています。ポールやロープを使ってテントの代わりとして積極的に使用できるほか、岩場でセルフビレイを取りながらのビバークや雪洞のフタとして様々なシーンで活躍します。

【240g】<アライテント>ビバークツェルト1 ロング

ビバークの使用を想定した1〜2人用のツェルト。奥行が長いためビバーク時の居住性が高く、簡易テントとして使用する際もスペースが余裕があるのがポイントです。しゃがんで使用した際には3〜4人が中に入ることができ、ベンチレーターは顔が出せる大きさになっています。

【345g】<オクトス> NEW透湿防水ツェルトライト

緊急時に1〜2名が横になれるサイズのツェルト。独自の特殊コーティングが高い防水・防風性を実現。8000g/m3/24hの高い透湿性能をもっており結露が生じにくい構造になっています。

【440g】<モンベル> ライトツェルト

3種類のラインナップがあるモンベルのツェルトのスタンダードモデル。ジッパーがベンチレーター底部まで延長されているため出入りしやすく、出入口下部にポール固定用のループが設けられているのが特徴です。大手メーカーのため、付属品が充実しているのも魅力。

設営時サイズ:H100 × W200(天頂部120) × D90 cm
収納時サイズ:約φ10×約19cm
重量:430g(440g) ※( )内はスタッフバッグを含む総重量
モンベル ライトツェルト

スペック比較

ツェルトも持って、安心な山登りを

どんなに自分自身が注意していても、山はいつ何が起こるかわかりません。そんな”もしも”に備えて、ツェルトをお守りとして持ってみてください。

休憩時の防寒や雨具の代わりなど様々な用途で使えるツェルトは、緊急時以外でも皆さんの登山にきっと役立つはずです。

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