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Back in time! デロリアン号に乗ってマーティとドクがシネオケに帰ってきた。 平成から令和へ、 まさに新しい時代を迎えようとする2019年4月30日。 「バック・トゥ・ザ・フューチャー in コンサート」が開催された。
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』は1980年代に誕生したもはや知らぬひとはいない大ヒットシリーズ。 監督は次々と名作・話題作を手掛けるいまや名匠といっても過言ではないロバート・ゼメキス。 音楽を担当しているのはゼメキス監督とのコンビ作も多いアラン・シルヴェストリ。 最近では『アベンジャーズ』や『レディ・プレイヤー1』のスコアを手掛けるなど絶好調の人気作曲家だ。
「バック・トゥ・ザ・フューチャー in コンサート」が国内で開催されるのは2015年の初演に続いて2度目。 会場となった東京・渋谷のNHKホールには全国からファンたちが続々と詰めかけた。 マーティやドクに扮装したり映画のTシャツを着たりと熱狂的なファンたちも多い。 なかには小さな子供たちの姿もあり、 既に親子二代に渡って作品が愛されていることがひしひしと伝わってきた。
ホールのロビーに設けられた記念となるフォトスポットは開演前から長蛇の列。 この機会に関連グッズを買い求めようと特設ブースも大盛況だ。 デロリアン号のミニチュアカーなど早々と売り切れ続出。 コンサートを楽しむだけではなく、 ファンが集う大きなイベントとしてすっかりこのシネオケは映画ファンに受け入れられているのだ。
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今回のシネオケの指揮を務めるのは初演と同じくニコラス・バック。 「スター・ウォーズ in コンサート」「E.T. in コンサート」「インディ・ジョーンズ in コンサート」など日本国内だけではなく海外でも多くのシネオケコンサートでタクトを振る、 シネオケ界になくてはならないコンダクターだ。 管弦楽は国内では最も古い歴史を持ち総勢75人編成となる東京フィルハーモ二―交響楽団。 これまでも「ジュラシック・パーク in コンサート」「ジェームズ・ボンド007『カジノ・ロワイヤル』 inコンサート」などで大迫力の演奏で観客たちを魅了している。
シネオケは巨大スクリーンに映し出される映画の映像と映画本編のセリフやサウンドエフェクトなどはそのままに、 劇伴(スコア)は生のオーケストラで演奏するという映画ファンにとっては夢のようなエンターテイメント。 ロバート・ゼメキス監督+アラン・シルヴェストリのコンビ作のなかでも映像と音楽のコラボレーションで特に人気の高い『バック・トゥ・ザ・フューチャー』はまさにシネオケにはうってつけだ。
映画開始からホールを埋め尽くした観客たちを一気に物語の世界のなかに惹きこんだ。 特に今回のコンサートはこれまで数多くのライブやコンサートが行われてきたNHKホール。 オーケストラの響きもより一層際立っている。 マーティの両親が晴れて恋に落ちる“魅惑の深海パーティー”のシーンなども劇中のオールディーズのダンスミュージックを生のオーケストラがバックアップしてより感動的だ。 マーティを乗せたデロリアン号、 ドクは未来の世界へタイムスリップさせることが出来るのか??この作品の最大の見せ場となるクライマックスのスリリングな展開は文字通りドキドキハラハラ。 重厚でいてスピーディー、 力の漲るニコラス・バックの指揮で生のオーケストラの持ち味が最大限に発揮されるシークエンスだ。 見慣れた映画でも思わず息を呑む。 これがシネオケならではの醍醐味なのだ。
物語の大団円と見事な演奏に観客たちからは拍手喝采。 客席からの声に応えてアンコールも飛び出した。 シネオケだけのお楽しみ、 エンドクレジットやインターミッションでは本編では流れない『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズからの楽曲の引用もあり、 これもまた観客たちを大いに喜ばせた。
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2012年の国内初上陸から7年。 シネオケの楽しさや面白さはどんどん映画ファンや音楽ファンに広がっている。 さぁ次はどんなサプライズが待ち構えているのか。 今月の25・26日に東京で開催されるティム・バートン監督作の「『ナイトメアー ・ビフォア・クリスマス』 inコンサート」ではオーケストラの演奏だけでなく作曲家のダニー・エルフマン自らがキャラクター”ジャック”の歌を歌う。 また今夏8月にはいよいよあのスティーブン・スピルバーグ監督の大ヒット作『ジョーズ』をモチーフにした「『ジョーズ』 in コンサート」が登場。 さらに実写版の劇場公開にあわせてディズニー映画の人気作「『ライオン・キング』 ライブ・オーケストラ」の公演も控えている。 “映画館で観る映画”“家庭で見る映画”では味わえない映画体験。 それがシネオケだ。
映画ライター 酒井俊之