『FourFourTwo』は8日、「欧州でのカップ戦における歴史上最高の逆転勝利TOP12」という記事を掲載した。
先日行われた準決勝ではリヴァプール、そしてトッテナムが大差をひっくり返してファイナルへの切符を掴んだ。
それでは昨年までの大会で最も素晴らしかった逆転勝利とはなんだったのか?
12位:パルチザン vs QPR(1983-84UEFAカップ2回戦)
1stレグの結果:2-6
2ndレグの結果:4-0
アウェイゴールルールが大きな影響を与えた逆転劇の一つ。当時強豪として知られたQPRは、ハイバリーでの試合でパルチザンを相手に6-2と大勝した。しかし前半は3-2という状況で、序盤にクリンチャルスキとマンチェにゴールを決められていた。これが後に大きく響く。
ホームに戻ったパルチザンはわずか4分でマンチェの先制ゴールが決まってリード。さらにPKで得点を追加し、勢いに乗った。最終的には4-0と勝利を収めている。
11位:レヴァークーゼン vs エスパニョール(1987-88UEFAカップ決勝)
1stレグの結果:0-3
2ndレグの結果:3-0(PK:3-2)
ホームで戦ったエスパニョールはセバスティアン・ロサダが2得点、ミケル・ソレールが1得点を決め、ファーストレグを3-0と快勝で終えた。
しかしその2週間後、レヴァークーゼンは後半45分だけで3点を奪取。ハーフタイムまで苦しむも、後半にはブラジル人FWチタや韓国の英雄チャ・ブンクンなどがネットを揺らした。
そしてPK戦でも最初のファルケンマイヤーが外したところから大逆転。絶体絶命の状況から優勝を勝ち取った。
10位:レアル・マドリー vs ダービー・カウンティ(1975-76チャンピオンズカップ1回戦)
1stレグの結果:1-4
2ndレグの結果:5-1
ブライアン・クラフの輝かしい時代を経て、2回目の欧州カップにダービー・カウンティを導いたのはデイヴ・マッケイ監督だった。第2ラウンドではホームで4-1とレアル・マドリーを撃破する。
MFアーチー・ゲミルは「我々は2ndレグの2日前に到着し、観光をする時間もあった。今なら何時間も街を歩くことはないだろうね」と振り返っており、余裕を見せていたそうだ。
ところがレアル・マドリーはその試合でダービーを5-1と粉砕。12万人の観客の前で強烈なパフォーマンスを見せた。
9位:アヤックス vs パナシナイコス(1995-96チャンピオンズリーグ準決勝)
1stレグの結果:0-1
2ndレグの結果:3-0
7万7000人の熱狂的なサポーターに囲まれたアテネ・オリンピックスタジアム。格で劣ると目されていたパナシナイコスであるが、ファーストレグで最小得点差ながらも勝利を収めることに成功していた。しかも敵地でだ。
しかしセカンドレグではヤリ・リトマネンがわずか4分で先制点を決めて試合を降り出しに戻すと、後半の終盤にも2得点。ルイス・ファン・ハール率いる若きアヤックスがファイナルへの階段を登った。
8位:オーデンセ vs レアル・マドリー(1994-95UEFAカップベスト16)
1stレグの結果:2-3
2ndレグの結果:2-0
レアル・マドリーは敵地デンマークに乗り込み、1stレグを1点差でものにした。90分にそのデンマーク出身のミカエル・ラウドルップが勝ち越し点を決めたとき、もうレアル・マドリーの勝ち抜けは決まったかに思えた。
しかしサンティアゴ・ベルナベウでのリターンマッチではオーデンセがペデルセンとビスゴーアのゴールで2-0と勝利。驚きの逆転を達成している。
7位:メス vs バルセロナ(1984-85カップウィナーズカップ1回戦)
1stレグの結果:2-4
2ndレグの結果:4-1
カップウィナーズカップ1回戦、フランスで開催された試合ではバルセロナが4ゴールを決めて勝利を収めた。ベルント・シュスターは「メスの選手が贈ってくれたハムに感謝したい」と話した。そして迎えた2ndレグ、バルセロナが先制点を決めた時にはもう試合は終わったようだった。
ところが、メスは38分にトニ・クルボスが同点ゴールを決めると、さらにその直後オウンゴールで逆転。後半にはクルボスが2ゴールをあげ、2試合合計6-5とバルセロナを撃破することに成功している。
「試合が終わったとき、シュスターに『君のハムはどこにあるんだい?』と話したよ」とはメスのGKミシェル・エットルの後日談だ。
6位:インテル vs バイエルン(2010-11チャンピオンズリーグベスト16)
1stレグの結果:0-1
2ndレグの結果:3-2
2010年の5月に行われたチャンピオンズリーグ決勝で、インテルはバイエルンを破って欧州の頂点に立っていた。
しかしレオナルド率いるインテルはホームで0-1と敗北。マリオ・ゴメスに終了直前のゴールを許し、厳しい展開に陥っていた。さらにアウェイでの2ndレグでも、エトーの先制弾で追いつきながら、マリオ・ゴメスとトーマス・ミュラーに得点を許して2試合合計3-1に。
絶体絶命となったが、その後ウェズリー・スナイデルが63分に1点を返し、88分にゴラン・パンデフが値千金の逆転弾。アウェイゴールの差で準々決勝へと駒を進めた。
5位:バイヤー・ユールディンゲン vs ディナモ・ドレスデン(1985-86カップウィナーズカップ準々決勝)
1stレグの結果:0-2
2ndレグの結果:7-3
西ドイツ勢と東ドイツ勢の対戦となったカップウィナーズカップの準々決勝。ホームのディナモ・ドレスデンが2ゴールを決めて先勝し、ユールディンゲンでの2ndレグを迎えた。
そこでも先制点はドレスデン。キックオフからわずか1分でラルフ・ミンゲのゴールが決まる。ユールディンゲンはPKで追いすがるも、35分、42分にもドレスデンが得点を追加し、アグリゲートスコアは3-1となった。
しかしその後ユールディンゲンは58分、63分、65分、78分、81分、86分と立て続けにゴールを叩き出し、終わってみれば2試合合計7-3と圧勝だった。
4位:モナコ vs レアル・マドリー
1stレグの結果:2-4
2ndレグの結果:3-1
(※レアル・マドリー戦の動画は25秒あたりから)
レアル・マドリーがフェルナンド・モリエンテスをモナコに貸し出したとき、まさかそんなことは思っていなかったはずだ。チャンピオンズリーグで彼ら自身が保有する選手によって敗退に追い込まれるとは。
モナコは敵地で4失点して敗れたものの、2つのアウェイゴールをゲット。ホームでリュドヴィク・ジュリの2ゴール、そしてフェルナンド・モリエンテスのヘッドで3-1と勝利し、アウェイゴールの差で準決勝進出を成し遂げた。
3位:ミラン vs デポルティーボ(2003-04チャンピオンズリーグベスト8)
1stレグの結果:1-4
2ndレグの結果:4-0
(※動画はYoutubeに飛んでご覧下さい)
「デポる」という言葉まで生み出した、チャンピオンズリーグにおける最大クラスの逆転勝利と言える2試合だ。
ファーストレグはACミランが圧倒。カカの2得点、シェフチェンコとピルロのゴール。4-1とデポルティーボを退けた。しかし、このサン・シーロであげたアウェイゴールが大きかった。
それをもたらしたパンディアーニが、セカンドレグでも反撃の口火を切った。5分に素晴らしいゴールを決めると、名将イルレタに率いられたデポルティーボが刃を煌かせた。バレロン、ルケ、そして重鎮フランがゴールを決め、サポーターの前で4-0と圧勝。2試合合計5-4でリベンジを果たした。
2位:バルセロナ vs ローマ(2017-18チャンピオンズリーグ準々決勝)
1stレグの結果:4-1
2ndレグの結果:0-3
バルセロナは様々な意味でチャンピオンズリーグの歴史を作ってきたチームだ。逆転勝ちだけでなく、負けという点でもだ。
カンプ・ノウでの第1戦ではローマを4-1と撃破。80分にジェコに1点を決められたことも、87分のルイス・スアレスのゴールで帳消しになったはずだった。
ところがオリンピコでの2ndレグが始まってからわずか6分、ジェコは再びバルセロナの守るゴールを破った。そしてダニエレ・デ・ロッシのPKとコスタス・マノラスの得点により、ローマは歴史的な逆転を成し遂げた。
1位:バルセロナ vs PSG(2016-17チャンピオンズリーグ1回戦)
1stレグの結果:0-4
2ndレグの結果:6-1
(※動画はYoutubeに飛んでご覧下さい)
もはやバルセロナは終わった。勝ち目はない。1stレグの結果が出たときには誰もがそう思った。カタールの支援を受けたPSGがついにチャンピオンズリーグで旋風を巻き起こすのだと。
チャンピオンズリーグの歴史上4点差をひっくり返した例は一度もなかった。しかし、バルセロナはそれを成し遂げた。しかも88分から終了まで、わずか7分で3ゴールを決めるという衝撃の展開であった。