虐待を受けた子どもの診察や心のケア、被害の聞き取りなどを一元的に行い、子どもの心身の負担を減らすことを目指し、NPO法人「神奈川子ども支援センターつなっぐ」(横浜市中区)が発足した。医療や法律の専門家らが連携することで、被害に遭った子どもをさらに傷つかせることなく、回復につなげることを目的にする。11日には、関内ホール(同)で設立を記念したシンポジウムを開く。
つなっぐは、医師や弁護士、社会福祉士らで構成。病院や児童相談所、警察などさまざまな機関と連携し、虐待を受けた子どもの情報を共有。必要な支援を提供していくという。
虐待を受けた子どもは、心身に傷を負った状態で、病院や警察などに赴き、各機関で自分が受けた被害を繰り返し述べるケースも多い。つなっぐ代表理事で、県立こども医療センター医師の田上幸治さん(50)は「被害の話をするたびに、子どもの心の傷は深まっていく」と説明する。それを避けるため、つなっぐでは、専門の面接官が一括して子どもの話を聞き、負担を減らす「司法面接」の実施も図る。
つなっぐでは、面接官の育成や啓発活動なども手掛けていく。田上さんは「虐待は医療、行政、教育、警察などが顔の見える関係でなければ解決できない。児相だけで対応できる時代ではない」と話す。
シンポは11日午前9時50分から。無料、定員200人。申し込み、問い合わせは同法人のメールinfo@tsunagg.com