ふるさと納税で女性支援 全国の「松田さん」も参加を

応募するともらえる「松田人カード」(松田町提供)

 女性支援のための施設整備に向け、松田町が初めてクラウドファンディング型ふるさと納税を採用、募集を始めた。応募すると金額ごとに定められた返礼品が贈られるほか、「松田人(びと)」と認定され、カードがもらえる仕組み。松田を愛する人のほか、全国の松田姓の人にも呼び掛ける内容となっている。

 町では県の旧松田土木事務所を2015年度に購入、「女性が輝き活躍できる場づくり」をコンセプトに新たな拠点づくりに取り組んでいる。その整備費として見込む約1200万円のうち、100万円を今回の目標としている。新拠点にはカフェやコインランドリー、キッチンスペース、インターネットラジオのスタジオブースなどを備え、町子育て支援センターも移転する予定だ。

 募集はクラウドファンディングサイト「Makuakeガバメント」を通して4月24日から始まり、期間は6月末までの約2カ月。5月8日時点で、7人から計6万円の寄付があった。

 返礼品としてはすべてのコースに「松田人カード」(単品は3千円コース)が付き、町制110周年記念の地元産日本酒「松田美人」(1万円コース)や寄(やどりき)地区で栽培された「丹沢大山茶」(1万5千円コース)、「まつだおひるねみかんジュース」30本(5万円コース)など、すべてが地元産となっている。

 インターネットなどで広く募集しているが、町が特に注目しているのが全国の「松田さん」。町によると、町は中世には存在した豪族・松田氏の発祥地で、全国の松田姓のルーツといい、同姓の人が集まる各地の「松田会」などに協力を呼び掛ける。

 本山博幸町長は「松田姓は全国に30万人いる。ルーツが松田町であることを知り、自身が(地域と関わりのある)『関係人口』であることに気付いてもらう。地元産品をふるさと納税の本来の姿で発信したい」と話している。

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