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■今月の人■
株式会社 小寺製作所 代表取締役社長

小寺 昌一さん
1959年生まれ。瀬田工業高校を卒業後、大学に進学したが1年で中退し、父・榮造さんが1963年に設立した小寺製作所に入社。仏具・神具の製造販売を行ってきた。1995年には海外の生産拠点としてインドネシア工場を開設し、稼働をスタート。2002年に代表取締役社長に就任した。仏壇市場は規模縮小傾向にあるが、引退する職人の多い中、様々な手仕事を引き継いで挑戦することで会社として成長し続けている。平野バドミントンクラブ会長、平野スポーツ少年団団長、柔道クラブ「成道会」主宰。【滋賀県中小企業家同友会会員】
スポーツで出会う人、子ども、そして新しい考え方から受ける刺激が、日々の成長の活力源に。

 小寺製作所は職人だった父・榮造さんが1963年に独立して大津ではじめた会社で、金属加工製品の仏具・神具を製造しています。小寺さんは二代目で、現場で腕を磨いた後、経営に携わるようになりました。

 スポーツを始めたのは30代の後半から。健康診断で医師から運動を勧められたことと、学区の運動会のリレーで転倒し、体力の低下を実感したことがきっかけでした。そこで小学五年生のときクラブ活動でバドミントンをやっていたことから、地元のサークルに参加。その後主宰者が転勤になったため、後を継いで平野バドミントンクラブを立ち上げました。また、平野学区のスポーツ少年団に誘われ、バドミントン指導員を引き受けたことをきっかけに、今はスポーツ少年団の団長を務めているほか、小寺製作所でもドラゴンボートとソフトボールのチームを立ち上げ、団体競技を楽しんでいます。

いい仕事をするにはストレス発散が大事と考え、「残業なし」を経営方針の一つとしている。小寺さんは5時まで仕事、その後夕食をすませてスポーツを楽しんだり、スポーツ仲間との会合に出かけるというのが平日の生活パターン。
ドラゴンボートのチームには会社の社員、バドミントンクラブや柔道部の部員など様々な人が参加している。「一人ひとり体型も違えば漕ぎ方も違う。それでも大会に出たら速い。それが面白いですね」と小寺さん。

 何種類ものスポーツをするのには理由があります。「実は一つのスポーツをやり続けるのは体に悪いんです。人間には約280の筋肉がありますが、一つのスポーツではそのうちの3分の1しか使いません。それでは体を傷めてしまうので、子どもにはスポーツを3種類やることを勧めています」。そのためスポーツ少年団では野球やサッカーなど4種目にバスケットボール、ソフトボール、柔道、相撲を追加。また社会人向けの柔道クラブ「成道会」も立ち上げました。

 「なぜ続けられるのかとよく聞かれますが、刺激がもらえることが大きいですね。新しい考え方を学ぶことができ、仕事では出会えない人との人脈が広がります」。小寺さんにとってスポーツは、精神的な刺激にもなるものなのです。

小寺製作所では金属加工品の仏具を製造している。「機械による大量生産でコストを安くしながら、いかに手作りの良さを残すか、にこわだっています」。

 今年二月には京都マラソンに初出場。走り終わって分かったのは「大会のサポートと声援があるから、普段出せない力が出せる」ということ。だから楽しむことを大事にし、指導をするときも子どもとも一人の人間として向き合い、一人ひとりに合った方法を考えるそうです。「その人をどう見てどうアプローチするか。それはスポーツと仕事に共通していますね」。スポーツで受けた刺激は、小寺さんを一回りも二回りも大きく成長させ続けています。


株式会社 小寺製作所

滋賀県大津市本宮1-3-43
TEL:077-522-5210 FAX:077-522-5215
URL:http://www.koterass.co.jp/

■情報誌「自悠時間」2015年12月掲載

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