伝説・戦史・伝統の食文化
豊かな自然が息づく静かな「余呉」。
まちの歴史と文化にふれながら、ただゆったり、心穏やかに余呉湖に映し出される四季折々の風情を感じてみませんか。
余呉湖の自然と歴史
奥琵琶湖の北側に位置する余呉湖。面積1.75㎢、周囲6㎞の湖は、三方を山に囲まれ、湖面は穏やか。山々を静かに映す様から、鏡湖とも称されています。
北岸には大きく枝を張る柳の大木が。余呉町には、余呉湖を舞台とした「羽衣伝説」がいくつかあり、この柳は天女が羽衣を掛けた衣掛柳といわれています。
余呉湖の南方にある山並みは、約400年前、羽柴秀吉と柴田勝家によって繰り広げられた「賤ヶ岳の合戦」の舞台となった賤ヶ岳(標高421m)です。ここから見下ろす美しい景色からは、湖畔の大激戦を想像することはできません。しかし山野に多数残る両軍の砦跡や戦の石碑などが、かつて確かにこの地が壮絶な歴史を辿ったことを物語っています。
伝統の食文化 発酵料理「熟鮓」
寒冷地の余呉では、厳しい寒さをしのぐため、古来より保存食が作られ、周辺で獲れる鮎や鮒、敦賀から入る鯖などの魚を塩と米飯と共に発酵させる熟鮓(なれずし)が親しまれてきました。熟鮓は、乳酸菌発酵によって魚が骨まで柔らかくなり、栄養学的にも優れた「滋養食」として年中食べることができます。
「発酵なくして和食は語れない」と話すのは、余呉湖畔の料理旅館、徳山鮓のご主人・徳山浩明さん。地域の食材を使って華やかに彩られた料理からは、発酵料理の魅力を伝えたいとの熱い思いが伝わってきます。
醤油、味噌、出汁の素材など、和食は発酵と深い関わりがあります。寿司の原点ともいえる発酵料理を改めて知りたいと、徳山鮓には全国から食通や名立たる料理人たちがやってきます。
こだわり抜いた発酵料理を提供する徳山さんをはじめ、余呉湖や琵琶湖周辺でさまざまな人々が“鮒ずし”などの郷土料理を復活させる取り組みを行い、近年、再び滋賀の発酵料理が脚光を浴びています。
徳山鮓(とくやまずし)
滋賀県長浜市
余呉町川並1408
TEL:0749-86-4045
FAX:0749-86-4050
http://www.zb.ztv.ne.jp/tokuyamazushi/