日朝友好を地域から、横浜で集い「会談実現へ過去の清算」

チマ・チョゴリ姿で朝鮮の歌も披露された親善の集い=横浜市内

 南北、米朝会談を通じて朝鮮半島の平和構築へ模索が続く中、日朝の友好関係を地域から築いていこうと、神奈川県内の市民団体と在日本朝鮮人総連合会県本部が11日、横浜市内で集いを開いた。県議や横浜、川崎市議を含め、約30団体から約130人が参加。長年の朝鮮学校への支援など共生の歩みを確かめ、親睦を深めた。

 主催団体の一つ「日朝国交正常化をすすめる県民の会」の原田章弘共同代表はあいさつで、安倍晋三首相が日朝会談の実現へ「金正恩朝鮮労働党委員長と無条件で向き合う」と方針を転換したことに言及。「友好関係を築くには日本の独自制裁をやめる必要がある。在日朝鮮人への差別を解消し、過去の清算を併せて先行させなければ会談の実現は難しい」と指摘した。

 朝鮮学校の無償化制度からの除外と補助金の停止という「官製ヘイト」が北朝鮮への敵視を助長しているとして「差別のない東アジアの実現に主体的、積極的に関わっていくことが求められている」と訴えた。

 神奈川朝鮮中高級学校の金燦旭(キム・チャヌ)校長は「地域に身近にある朝鮮学校を通じ、今後も交流を深めてほしい」と呼び掛けていた。

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