FIA-F2第3戦スペイン レース2:デ・フリースがシーズン初優勝。松下はエンジンから出火するアクシデント

 5月12日、2019年FIA-F2第3戦スペインのレース2が開催され、ニック・デ・フリース(ART)が優勝、松下信治(カーリン)はスタート直後にエンジンから出火し無念のリタイアとなった。

 レース2は26周で行われ、ピットストップの義務はなし。ほぼ全車がハードタイヤを履いてレースに挑んだ。

 レース1で8位のアルファロメオF1育成のカラム・アイロット(ザウバー・ジュニアチーム)がポールポジションからスタート。2番グリッドは、ジョーダン・キング(MPモータースポーツ)、3番グリッドはアンソニー・フバート(BWTアーデン)。

 そしてシグナルはブラックアウト。3番手スタートのフバートが抜群のスタートで2台を抜いてトップに。後方も接触はなくレースはクリーンにスタートした。

 しかし走行中の松下のマシンからは、うっすらと煙を吹いている。そしてトップが2周目に入ろうかというタイミングで松下のエンジンから出火。炎はたちまち燃え上がり、ここで無念のリタイアとなってしまった。

クレーンで運ばれる松下信治(カーリン)のマシン

 これによりセーフティカー(SC)が4周目まで導入され、トップにフバート、2番手に4番グリッドから順位を上げてきたデ・フリース、3番手にアイロットの順でレースは再開する。

 上位3台は2秒以内の間隔を維持しながらレースを展開。そして8周目、デ・フリースが1コーナーのブレーキングでフバートを捉え首位に浮上した。

 さらに昨日のレース1を盛り上げたルノー育成ドライバーのチョウ・グアンユー(ユニヴィルトゥオーシ)がキングを捉え4番手に。これに続き同僚のルカ・ギオット(ユニヴィルトゥオーシ)も5番手にポジションを上げる。

 ペースの良いギオットは11周目に4番手のグアンユーをパス。その前方ではアイロットがフバートを抜いて2番手へ。

 後方でもバトルが勃発。15周目に7番手ジャック・エイトケン(カンポス)が6番手キングとサイドバイサイドのまま1コーナーへ進入。アウト側のエイトケンはそのままランオフに出てしまい、ニコラス・ラティフィ(ダムス)にも抜かれ8番手に後退した。

 絶好調のギオットは17周目にフバートを捉え3番手に浮上。コース上最速のギオットは3秒先にいるアイロットを猛追する。

 レースはファイナルラップに突入。アイロットに0.5秒差と迫ったギオットはホームストレートでサイドバイサイドに。そして1コーナーで抜き去り、ギオットは2位をもぎ取った。

 このまま順位は変わらずチェッカー。デ・フリースが危なげない走りで今シーズン初優勝。2位にギオット、3位のアイロットはFIA-F2シリーズで初の表彰台となった。

 日本の松下は、エンジントラブルで無念のリタイアとなっている。

 次回、第4戦モナコは予選が5月23日(木)、決勝レース1が5月24日(金)、決勝レース2が5月25日(土)に行われる。

ニック・デ・フリース(ART)

■FIA-F2第3戦スペイン 決勝レース2 リザルト

Pos. No. Driver Team Time/Gap SP

1 4 N.デ・フリース ART 26Laps 4

2 8 L.ギオット ユニ ヴィルトゥオーシ 2.399 5

3 11 C.アイロット ザウバー・ジュニアチーム 4.382 1

4 7 Z.グアンユー ユニ ヴィルトゥオーシ 11.183 6

5 19 A.フバート BWTアーデン 12.567 3

6 6 N.ラティフィ ダムス 13.088 8

7 16 J.キング MPモータースポーツ 21.419 2

8 15 J,エイトケン カンポス 26.644 7

9 10 S.ゲラエル プレマ・レーシング 27.445 9

10 21 R.ボスチャング トライデント 28.169 10

11 1 L.デルトラズ カーリン 28.535 12

12 9 M.シューマッハー プレマ・レーシング 30.908 15

13 18 T.カルデロン BWTアーデン 32.269 13

14 3 N.マゼピン ART 35.061 17

15 12 J-マヌエル・コレア ザウバー・ジュニアチーム 37.852 19

16 20 G.アレジ トライデント 40.394 20

17 5 S.セッテ・カマラ ダムス 40.538 18

18 14 D.ボッコラッチ カンポス 44.21 14

19 17 M.ラフーナサン MPモータースポーツ 1’08.701 16

20 2 松下信治 カーリン DNF 11

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