涌蓋山|草原の絶景と温泉を満喫!初心者にもおすすめの登山コース2選 九重連山の北西に位置し、独立峰でもある「涌蓋山(わいたさん)」。堂々とした山容から「玖珠富士」「小国富士」とも呼ばれ、一度は登って見たいと思っている方も多いのでは?初心者でも安心な気持ちのいい草原歩きやミヤマキリシマが人気で、下山後の温泉も楽しみの一つです。今回はおすすめの登山コースや温泉などの周辺施設をピックアップしました!

涌蓋山(わいたさん)ってどんな山?

  • 標高: 1500m
  • 所在地: 大分県玖珠郡九重町、熊本県阿蘇郡小国町
  • 最高気温(8月): 23.5℃
  • 最低気温(8月): 13.3℃

参考:ヤマレコ
九重連山の北西に位置する独立峰「涌蓋山」。九重山の核心部とは離れていることから、縦走ではなく日帰りスタイルが多く、危険な箇所もないため登山者初心者でも気軽に登ることができます。
かつての火山らしい堂々とした山容で、「玖珠富士(くすふじ)」や「小国富士(おぐにふじ)」とも呼ばれる名峰です。

気持ちのいい草原の登山道

火山質の土壌から深い森林がなく、草原と低木が多いのが大きな特徴。なだらかな裾野は牧場としても利用されているため、どこから登っても気持ちのいい草原歩きを楽しむことができます。
見通しが良く迷うこともない反面、霧に覆われることも多く、方向がわからなくなることもあるため、地図やコンパスは必須です。

ふもとにはたくさんの温泉

周辺は日本有数の地熱地帯であり、豊富な湯量を湧出しているため、ふもとにはたくさんの温泉があります。
筋湯(すじゆ)温泉やはげの湯などがある「わいた温泉郷」には日帰り温泉も多いので、登山後の温泉には事欠きません。

涌蓋山の登山適期は?

涌蓋山は標高1500m、九州中部に位置するため冬でもそれほど積雪もなく、軽アイゼンやチェーンスパイクを用意すれば1年中登山可能。特におすすめなのは、ミヤマキリシマが山肌をピンクに染め上げる5~6月と、ススキがたなびく秋の草原です。霧氷が美しく輝く厳冬期も人気があります。

天気も必ずチェック

GPSアプリやココヘリも忘れずに!

登山時には必ずGPSアプリなど地図の準備はしておきましょう。また、もしもの遭難時に、登山者を早く見つけ出すことに特化したサービス「ココヘリ」も登山の新常識となりつつありますよ。

『GPS地図アプリ』は現代の登山の常識! 使ってない人がしがちな13の誤解
あなたのスマホに登山用の地図アプリは入っていますか? もしまだ入れていないのなら、今すぐアプリをダウンロードしましょう! 地図アプリを...

遭難捜索ヘリサービスの「ココヘリ」に2000円分お得に入会する方法!
年間3000件ともいわれる山岳遭難。そのうち4割が道迷いによるものといわれています。編集部では道迷いをはじめとするあらゆる遭難において...

気持ちのいい草原歩き|八丁原コース

凡例はこちらをクリック:グレーディング表
八丁原登山口(20分)→一目山(50分)→ミソコブシ山(20分)→涌蓋越(60分)→涌蓋山(50分)→涌蓋越(15分)→ミソコブシ山(45分)→八丁原登山口

大分県側からの代表的な登山口である標高1150mの八丁原登山口から、のんびりと牧場の中の道を歩き、山頂手前から一気に300m登りあがるコースです。開放感あふれる草原歩きと絶景を楽しめます。

コース詳細

八丁原登山口からスタート。まずは、目の前に見える標高1288mの一目山(ひとめやま)へ登ります。牧道が裾を巻いているので、パスすることも可能。

遮るものの無い広々とした草原の尾根道を歩きます。晴れた日はとても気持ちがよく、どこを見ても絶景です!霧が発生すると道がわかりにくくなるのでご注意を。

草もみじやススキが輝く秋の登山道。時折吹き付ける秋風がススキをたなびかせ、ミヤマキリシマやクロモジなどの紅葉が登山道を彩ります。

しばらく歩くと目の前に小高い丘が見えてきます。標高1258mのミソコブシ山、一気に登りあがると頂上からは、歩いてきた道と今から歩く道を一望することができますよ。

草原の道を歩き切ると、いよいよ本格的な登山道開始。ここから一気に涌蓋山頂上まで標高差約300mをあがります。ここからはしばらく樹林帯歩き。

樹林帯を抜け、岩が露出したガレ場に。ここまでくれば山頂まではもう少し。たまに浮石がありますので注意して登りましょう。

山頂到着!平坦で広々とした山頂。登山シーズンでも人でいっぱいになることもなく、お昼ごはんを食べるには絶好の場所です。

山頂からは360度ビューの絶景。眼下に筋湯や八丁原発電所の湯けむり、向こうに九重連山から遠くに由布岳まで見渡すことができますよ。

わいた温泉郷から直登|はげの湯コース

凡例はこちらをクリック:グレーディング表

はげの湯登山口(60分)→林道登山口(60分)→涌蓋山(45分)→林道登山口(45分)→はげの湯登山口

はげの湯登山口は標高739m、熊本県側の代表的な登山口です。先に紹介した八丁原コースとは対照的に、最初から最後まで同じような角度の斜面を登り続ける直登コースです。

コース詳細

はげの湯登山口から出発。しばらくはコンクリート舗装の道。約10分で牧草の登山道に入ります。

牧草地に入り、踏み跡をたどります。踏み跡がたくさんありますので注意。春はたくさんの山野草が咲きますので、踏まないように足元をよく見ながら歩きましょう。40分程度で林道です。

林道を5分程度歩くと、再び登山口。ここからは本格的な登山道が始まります。ここまで車で来ることもできますが、未舗装で狭いため要注意。

30分程度で樹林帯を抜け少しずつ視界が開けていき、笹と低木の道を歩きます。このあたりはミヤマキリシマの群生地。

ほどなくすると広々とした山頂へ到着。下山は往路を戻りますが、交通機関や時間の問題が無ければ八丁原方面へ下ることもおすすめです。

立ち寄りたい周辺施設

前述の通り、涌蓋山のふもとには多くの温泉や、涌蓋山のパワーを利用した施設などがたくさんあります。その中かからおすすめの周辺施設をご紹介。

日本一のうたせ湯|筋湯温泉 うたせ大浴場

八丁原登山口から車で約5分。「筋湯温泉うたせ大浴場」は、大浴場とともに、約2メートルの高さから落ちる18本のうたせ湯が特徴の温泉です。うたせ湯は肩こりやマッサージ効果があるといわれ登山客に大人気。登山後の体をうたせ湯でマッサージしした後、大浴場でゆっくりとすれば疲れも飛んでいきます。

【住所】〒879-4912 大分県玖珠郡九重町町筋湯647
【電話番号】 0973-73-5505
【料金】300円
【営業時間】7:00~22:00(無休)

筋湯温泉 うたせ大浴場

神秘的なホワイトブルーの温泉|わいた温泉郷 豊礼の湯

はげの湯登山口より車で3分。「わいた温泉郷 豊礼の湯」は、神秘的なホワイトブルーのお湯で有名な温泉。大浴場や各種貸し切り風呂などもあり、観光客や登山客に人気です。宿泊施設も完備し、自分で食材を持ち込んで蒸気を蒸し上げる「地獄蒸し」もおすすめ。

【住所】〒869-2504 阿蘇市小国町西里2917
【電話番号】 0967-46-5525
【料金】露天大浴場 大人500円、子ども(小学生以下)200円家族風呂(60分) 家族風呂6室800円、家族露天風呂6室1200円、檜風呂露天5室1500円
【営業時間】露天大浴場 8時~20時/家族風呂 24時間(檜風呂露天は8時~20時)(無休)

わいた温泉郷 豊礼の湯

まさに地獄の様相|小松地獄

八丁原登山口から車で5分。小松地獄は、筋湯温泉や八丁原地熱発電所の近くに位置し、大自然の中、地底から吹き上がる蒸気や噴出物を見学できる施設です。涌蓋山をはじめとする九重連山のパワーを感じられ、恐ろしささえ感じます。なお、散策路以外は危険ですので絶対に立ち入らないようにしましょう。散策路は1周20分程度。

【住所】〒879-4912 大分県玖珠郡九重町大字湯坪字筋湯
【電話番号】 0973-79-2381(くじゅう飯田高原観光案内所)
【料金】無料

九重町観光協会 小松地獄

登山口へのアクセス情報

八丁原登山口

【公共交通機関の場合】
①JR久大線 「豊後中村(ぶんごなかむら)駅」より、日田バス筋湯温泉行で「筋湯バス停」下車
②大分または熊本方面より九州横断バス「筋湯温泉入口バス停」下車
両バス停より、徒歩約40分です。

日田バス九州産交 九州横断バス
【マイカーの場合】

※上記地図は登山口周辺になります
大分自動車道九重インターチェンジより約40分、登山口前に駐車スペースがあります。
トイレはありませんので、到着前に済ませるようにしましょう。

はげの湯登山口

【公共交通機関の場合】
JR豊肥本線「阿蘇駅」より九州産交バス「杖立温泉行き」で「ゆうステーション」。そこから九州産交バス「岳の湯(だけのゆ)行き」に乗換て、岳の湯バス停(終点)で下車します。登山口まで徒歩で20分。

九州産交バス【マイカーの場合】

※上記地図は登山口周辺になります
大分自動車道玖珠インターチェンジより約30分、登山口に10台程度の駐車スペースがあります。
トイレありますが、12月~2月の間は閉鎖しています。

大自然と温泉を求めて

涌蓋山は自然豊かでありながら危険な箇所や難しいところもなく、初級者でも気軽に登れる山。四季を通じ様々な表情を見せる大自然が魅力です。登山とともに下山後の温泉が楽しい涌蓋山、ぜひ、訪れてみてください。

【登山時の注意点】
・登山にはしっかりとした装備と充分なトレーニングをしたうえで入山してください。足首まである登山靴、厚手の靴下、雨具上下、防寒具、ヘッドランプ、帽子、ザック、速乾性の衣類、食料、水など。
・登山路も複数あり分岐も多くあるので地図・コンパスも必携。
・もしものためにも登山届と山岳保険を忘れずに! ・紹介したコースは、登山経験や体力、天候などによって難易度が変わります。あくまでも参考とし、ご自身の体力に合わせた無理のない計画を立てて登山を楽しんでください。

© 株式会社スペースキー