開門で漁場改善を 諫干即時開門訴訟 原告の4人主張 長崎地裁

 国営諫早湾干拓事業の潮受け堤防排水門の開門調査を巡り、諫早、雲仙両市の漁業者が国に即時開門を求めた訴訟の口頭弁論が13日、長崎地裁(武田瑞佳裁判長)であった。原告4人の証人尋問で、原告側は堤防閉め切り後の漁獲量減少を挙げ、開門を主張したが、国側は「同事業との因果関係は証明されていない」などと反論した。
 沖合漁業を営む国見漁協の宮本幸盛さん(70)=雲仙市国見町=は「潮受け堤防の閉め切り後にタイラギが全く採れない」と主張。かつてタイラギ漁に従事していた瑞穂漁協の大場豊和さん(53)=同市瑞穂町=は「カキの養殖も組合の補助金がないと赤字になる」とし、「有明海を魚介類が育つ海にしてほしい」と訴えた。
 口頭弁論終了後、会見した農林水産省経営体育成基盤整備推進室の大熊規義室長は「干拓事業と因果関係があれば漁獲量が一貫して低迷しているはずだ」と述べた。
 同訴訟は次回9月24日に原告、被告が最終弁論を行い、結審する見通し。

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