<ひとズーム>長崎県警警備部長・豊永孝文さん(58) 国際的視点で情報収集

豊永孝文さん

 「一人一役、全員主役」。10年ほど前に耳にしたこの言葉を大切にしている。それぞれが与えられた場で役割を果たすことで主役になれる-。自然災害やテロへの対策などが求められる警備部のトップとして、モチベーションの高い組織づくりを心掛けている。

 6月には大阪で「G20首脳会合」、今秋には全国各地でラグビーのワールドカップが開かれる。そして来年は東京五輪。大規模イベントが立て続けに控え、日本がテロの標的となる可能性も高まる。「開催地でないといっても油断できない」。未然防止のため、国際的な視点での情報収集が求められる。

 自然災害は、かつての「忘れたころにやって来る」から「忘れる前にやって来る」時代に。3月までの2年間、長崎県危機管理監として県内防災を俯瞰(ふかん)した経験を生かし、「県や市町など関係機関との危機意識の共有が大事。市民への啓発も必要だ」と気を引き締める。

 これまで警備部門を中心に歩んできた。「命を張って人を守る。こんなに誇りに思える仕事はない」。休日は自宅周辺を歩き、四季の移ろいを楽しむ。

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