TATERU、2019年12月期第1四半期は60億円の赤字 重要事象も付記

 

 融資申し込み資料の改ざんが発覚した(株)TATERU(TSR企業コード:872098940、渋谷区、東証1部)は5月13日、2020年12月期第1四半期(1-3月)決算を発表した。 主力のアパートプラットフォーム事業で営業活動を自粛した影響から、連結売上高は46億6,300万円(前年同期比68.2%減)と前年同期から約7割減少した。四半期純利益は60億4,500万円の赤字(前年同期は4億3,300万円の黒字)で、減収や販売用不動産の一括売却による損失計上が響いた。
 継続企業の前提に関する重要な事象が初めて記載された。ただ、2019年3月末時点で現預金97億9,300万円を有していることや今後の資金繰りを検討した結果、当面の事業活動の継続性に懸念はないとして、ゴーイングコンサーン(GC)注記は記載しなかった。
 2019年12月期通期の業績見通しは、「市場動向や顧客動向を踏まえた損益の合理的な予測が困難」として、開示していない。
 TATERUは個人投資家向けを中心にアパート建設や管理などを手掛け、2018年12月期には連結売上高791億4,900万円をあげていた。しかし、預金残高の水増しなど投資用不動産向けの融資書類で改ざんが発覚。その後、弁護士などで構成する特別調査委員会を設置し、2018年12月に調査報告書を公表した。
 TATERUは業務フローの見直しや手続きの厳格化などを進めており、不正問題の事後処理や金融機関の信頼回復を優先するため、アパートプラットフォーム事業の本格的な営業活動を自粛している。

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