WTCR第3戦スロバキア:アルファロメオのマ・キンファが初優勝。ホンダ勢もレース2で勝利

 2019年のWTCR世界ツーリングカー・カップは5月10~12日、スロバキアで第3ラウンドが行われ、レース1でフレデリック・バービッシュ(アウディRS3 LMS)が、レース2でネストール・ジロラミ(ホンダ・シビック・タイプR TCR)が、レース3でマ・キンファ(アルファロメオ・ジュリエッタTCR)が、それぞれ優勝を飾った。

 週末3レース制が採られているWTCR。過去2大会では土曜日にレース1の予選と決勝、日曜日にレース2&3のグリッドを決めるノックアウト予選と、各レース決勝が行われてきた。

 しかし、このスロバキアラウンドでは二輪レースのEWC世界耐久選手権と併催となったため、土曜日にレース1の予選とレース2&3のノックアウト予選、日曜日にレース1~3の決勝が行われる変則的なスケジュールとなった。

 土曜日に行われた予選は、セッション開始前にスコールがあり、ウエットからドライへ路面コンディションが変化する難しい状況となるなか、ヒュンダイi30 N TCRを駆るニッキー・キャッツバーグが速さを発揮。レース1とレース3のポールポジションを奪ってみせた。リバースグリッドとなるレース2はロブ・ハフ(フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR)がポールにつけた。

■レース1:ウエットコンディションの初戦で9番手スタートのバービッシュが逆転勝利

 明けた日曜日も降雨の影響でウエットコンディションのままレース1決勝を迎え、キャッツバーグはその雨に足元をすくわれてしまう。レース1ではスタート直後の1コーナーでラインが膨らみ、4番手に後退。代わって3番手スタートだったマ・キンファがラップリーダーに浮上する。

 そして、9番手から鋭い加速をみせて一気にポジションを上げてきたのがバービッシュ。オープニングラップで8台を交わし、2番手までジャンプアップを果たしてみせた。

 その後方では、ポイントリーダーのジロラミが、トム・コロネル(セアト・クプラTCR)と交錯。ニールス・ラングフェルド(アウディRS3 LMS)もグラベルに捕まり身動きが取れなくなってしまう。

 このアクシデントでセーフティカーが導入されると、レースは4周目に再開。このリスタートではポジションを守ったマ・キンファだったが、翌5周目の2コーナーでバービッシュにインを突かれてポジションを奪われてしまった。

 その後、マ・キンファはキャッツバーグを交わしたミケリスから猛攻を受けるが、要所を抑える走りでポジションを譲らず。レース終盤には、ミケリスの後方にマ・キンファのチームメイト、ケビン・チェコン(アルファロメオ・ジュリエッタTCR)が迫り、優勝争いは三つどもえのバトルに発展した。

WTCRスロバキアのレース3は僅差でのチェッカーに

 最終的にマ・キンファはわずか、0.242秒でポジションを守りきってWTCR初優勝を達成。3位にチェコンが入ったことで、アルファロメオが表彰台のワン・スリーを確保する形となった。

「手にできうるなかで最高のリザルトだ」とマ・キンファ。

「これまで懸命に作業を続けてくれたチームには心から感謝している。今シーズンは厳しい戦いが続いていたから、勝利を手にできて本当にうれしいよ」

「どんなレースを戦っていても、ラップリーダーを務めているときは『後ろのクルマのほうが速い!』と感じる。今回も(ミケリスから)強烈なプレッシャーをかけられたけど、冷静にレースを運ぶことができた。1回のミスがすべてを台なしにしてしまう状況だったからね」

 ドライバーズランキングでは、レース2を制したジロラミが125ポイントでトップ。2点差でグエリエリが続き、ホンダ勢がランキングトップ2を占めている。ランキング3位はヒュンダイユーザーのミケリスで102ポイントだ。

 2019年のWTCR第4ラウンドは5月17~19日、オランダのザントフールトで行われる。

WTCR第3戦スロバキアのレース1を制したフレデリック・バービッシュ(アウディRS3 LMS)
WTCRスロバキアのレース2はホンダ勢がワン・ツー
WTCRスロバキア レース2表彰台

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