「県の子どもにすすめる本500選」 乳幼児向け新設

現在の500選リスト。各段階別に100冊ずつ紹介している

 長崎県教委生涯学習課は本年度、2010年に選定した「県の子どもにすすめる本500選」を初めて改訂する。3月に策定した本年度から5カ年の「第4次県子ども読書活動推進計画」で重点課題とした「発達段階に応じた取り組みによる子どもの読書習慣の形成」を踏まえ、従来の小中高生向けのほか、乳幼児向けも選ぶ。

 現在の500選は、▽小学校低学年▽同中学年▽同高学年▽中学校▽高校-の5段階で各100冊を選定。改訂版では乳幼児向けを新設し、▽小学校低学年(1~3年)▽同高学年(4~6年)▽中学校▽高校-の5段階に見直す。乳幼児期から家庭での読書を習慣付けてもらう狙いだ。

 同課によると、昨年の県内児童、生徒の1カ月当たり平均読書量は、小学生13.7冊、中学生5.1冊、高校生3.2冊。1カ月に1冊も本を読まない割合(不読者率)は小学生0.1%(全国平均8.1%)、中学生0.1%(同15.3%)、高校生11.9%(同55.8%)と、いずれも全国平均と比べて読書をしている児童、生徒が多く、10年の不読者率(小学生0.5%、中学生0.4%、高校生15.8%)からも改善した。同課は「家庭、地域、学校で子どもを囲む読書環境が整ってきた」とし、子どもたちが本を選ぶきっかけとなるよう、ホームページや学校図書館などを通じて啓発してきた500選の取り組みも改善に寄与したのではないかとみている。

 改訂版作成に向け、県内の公立図書館司書らから推薦書のリストを集約。9月ごろから選定作業に入り、年度内にリスト化する。合計冊数は未定。同課は「本は子どもたちの成長に欠かせないもの。作者や題材が本県にゆかりのある絵本や小説など、さまざまなジャンルの本を選びたい」としている。

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