クランクベイトについて
クランクベイトは、丸っこいボディが特徴的なルアー。回したり巻いたりする動作を意味する「crank」と、釣り餌を表す「bait」が名前の由来で、その意味が表す通り巻いて使うのが基本のルアーです。
本記事では、バス釣り歴30年の編集部員が定番ルアーであるクランクベイトのおすすめ製品や使い方のコツをご紹介します。
クランクベイトの特徴
クランクベイト最大の特徴は、その丸っこいボディが持つ『高い浮力』。浮力を持ったボディがリップの抵抗により潜ることで、大きく力強いアクションを起こします。
この力強いアクションが、バスに視覚と波動で強烈にアピールします。また高い浮力は根掛かり回避性能も高め、カバーや岩などの障害物周辺で使っても引っ掛かりにくい特徴があります。
種類
潜る深さによって種類分けされ、呼び分けられているクランクベイト。潜る深さのことは「潜行深度」と言います。
バスはその日によって泳いでいる層が違うため、潜行深度の使い分けが釣果の鍵となります。以下に基本的なクランクベイトの種類をご紹介します。
▼シャロークランク
シャロークランクは浅場攻略を得意とする種類です。基本的には表層付近から水深1.5メートル程度まで潜るタイプのことを指します。クランクベイトの中でも特に製品数が多い種類です。
▼ミディアムクランク
ミディアムクランクは中層を泳ぐタイプのこと。主に潜行深度が1.5~3メートル程度までのものを、ミディアムクランクと呼びます。野池から湖まで幅広いシチュエーションで、季節を問わず活躍してくれます。
▼ディープクランク
ディープクランクは深場攻略に欠かせない種類です。基本的に3メートル以上の潜行深度を持つクランクベイトがこのように呼ばれています。潜行深度が深い他、リップが長いため特に根掛かりに強いのが特徴です。
クランクベイトを使いたいシーン
クランクベイトをはじめ、ルアーは使いどころを踏まえて使うことが大事です。
特にクランクベイトは巻くことが基本となるので、使いどころが違えば全くの無反応になってしまうことも……。 クランクベイトを使いたいシーンは以下のような場面です。
水が濁っている時
クランクベイトの特徴である強いアクションは、水が濁っている時は特に効果的! バスが目で餌を見つけにくく、水の振動を感じ取る「側線」の感覚に頼っている時は、クランクベイトでないとアピール不足で気付いてもらえず釣れないなんてことも多くあります。
カバーや岩場を攻める時
ハードルアーの中でも根掛かり回避性能が高いクランクベイトは、カバーや岩場を効率よく攻めていきたい時にも活躍してくれます。もし根掛かりしそうになった時は、巻くのを止めれば浮き上がるので回避出来ます。
レンジが分かっている時
バスやベイトの居るレンジ(水深)が分かっているのであれば、そのレンジに合った潜行深度のクランクベイトを使うと効率的に釣ることができます。
特にボートで魚探を使いながら魚影を見つけて釣りをする際には、クランクベイトはとても使いやすいです。
クランクベイトの使い方『2つのコツ』
巻いて使うことが基本となるクランクベイトは、ちょっとした使い方の差が大きく釣果の差を生みます。
ここではクランクベイトを使う上で意識したい2つのコツ、「アクション」と「ローテーション」について詳しく解説していきます。
クランクならではの多彩なアクション
クランクベイトは巻くだけでも自発的に動くため、難しく考えずに使える初心者に優しい一面もあります。
しかし、釣果を伸ばすためにはアクションにこだわっておきたいところ。クランクベイトでは以下のようなアクションを意識しながら使ってみましょう。
▼ただ巻き(ステディーリトリーブ)
クランクベイトの基本的な使い方のただ巻き。一定速度がキモとなるので、ステディーリトリーブとも呼ばれます。
ただ巻きではその日釣れるスピードを見つけるのがコツ。時にはクランクベイトが動くギリギリのスピードが効果的だったり、逆に限界のスピードで巻かないと反応が無かったりしますので、先入観を持たず様々なスピードで巻いてみてください。
▼ストップ&ゴー
巻く動作の中に止めを入れることをストップ&ゴーと言います。ストップ&ゴーは、バスがルアーに追いつき切れていないと感じる時に効果的です。
また、クランクベイトは止めると浮き上がり、それが小魚の浮上する動きに似ていることから、バスが反応してくることもあります。
状況によってどれだけの距離を巻いて止めるか、止めて浮かせる時間はどれくらいにするかを意識しながら行うのがコツです。
▼ボトムノック
ボトムノックとは、クランクベイトのリップで底を小突きながら引いてくる使い方。底に干渉させながら引いてくることで不規則な軌道を描いたり、砂煙や音を立てたりしてバスを誘います。
ボトムノックでは水深よりも少し深くまで潜るものを使うのがコツ。例えば水深が2メートルだったら、潜行深度2.5メートルくらいのクランクベイトを使うと行いやすいです。
▼ウェイキング
水面に波紋を立てつつ巻いてくる使い方をウェイキングと言います。バスが水面を意識している時に効果的で、バイトの瞬間が見られるエキサイティングな釣り方です。
ウェイキングのコツは、水面からクランクベイトが飛び出さないよう、また深く潜りすぎないようにロッド角度を調整すること。クランクベイトが遠くにある時はロッドを高く構え、近づいてくるにつれて徐々にロッドを構える位置を下げるようにしてみてください。
▼カバークランキング
カバークランキングは、倒木などのカバーにクランクベイトを当てながら巻いてくる上級テクニック。クランクベイトをカバーに当たると不規則な動きが起き、その動きがバスのリアクションバイトを誘います。
ワームやラバージグを見慣れたバスも、クランクベイトの強いアクションと不規則な動きには思わず反応してしまうことがよくあります。水中の様子をイメージしながら巻くスピードを微調整するのがコツです。
ローテーションは超大事!
ルアーの種類を変更することを「ローテーション」と呼びます。巻くことが基本のクランクベイトでは、様々な種類をローテーションしながら、その日どれがよく釣れるのか見つけることが釣果を伸ばすカギ!
以下の3項目を意識しながらローテーションを行ってみてください。
▼潜行深度
クランクベイトは、それぞれの種類で潜行深度が決まっています。潜行深度の違うクランクベイトを揃えておけば、各レンジを細かく釣っていくことが可能です。
潜行深度が浅いものから使いはじめて、徐々に深いものへとローテーションしていくのが基本です。
▼ラトルの有無
クランクベイトには、音を鳴らすためのラトルが入っているものとそうでないものがあります。
ラトル入りのものは「ラトルイン」、ラトル無しのものは「サイレント」や「ノンラトル」と呼ばれます。ラトルインは音による強いアピール、サイレントは波動によるナチュラルなアピールの使い分けが可能です。
どちらのほうが釣れるかローテーションしながら使ってみてください。
▼カラー
ルアーの色を変更する「カラーローテーション」は、どのルアーフィッシングでも重要性が高いとされています。
クランクベイトではカラーを3~4色持っておき、ローテーション出来ればベスト。カラーローテーションに正解はありませんので、出来るだけ多くのカラーを揃えて使い分け、自分なりの答えを見つけてみましょう。
これぞバス釣りの醍醐味、クランクベイト!
クランクベイトには様々な種類や使い方のコツがありますが、まずは難しく考えずに投げて巻いて使ってみてください。巻くだけでアクションしてくれて根掛かりしにくいので、初心者の方に最適なルアーでもあります。しかし使えば使うほどクランクベイトの奥深さを知り、その魅力にどんどんハマってしまうでしょう。