ローマ一筋で18年、元イタリア代表MFダニエレ・デ・ロッシの退団が決まった。
市場が拡大する一方の現代サッカーでは、一つのクラブに留まり続けることは容易ではない。先日、トヨタの豊田章男社長が「終身雇用を守っていくのは難しい」と発言したが、それは日本のサッカー界にも同じことがいえる。
しかしそんな状況だからこそ価値がある。ということで今回は、一つのクラブに人生を捧げるJリーグのレジェンドたちをご紹介しよう。
青山 敏弘(サンフレッチェ広島)
在籍:16年目(2004~)
日本代表でもある広島の“エンジン”は今年で16年目を迎えた。
彼は現在、1月に行われたアジアカップ中の負傷で戦線を離脱しているが、ケガには新人の頃から悩まされきた。その青年がこれほど長くプレーできると誰が思っていただろうか。
これまでJ1・J2通算380試合に出場している。なかにはJ2降格といった厳しい時期も経験したものの、J1三度の制覇を文字通り中心選手として味わった。
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なお、梁勇基(ベガルタ仙台)も青山と同じく16年目で、藤本康太(セレッソ大阪)、城後寿(アビスパ福岡)が15年で続く。
大谷 秀和(柏レイソル)
在籍:17年目(2003~)
2008年から柏の主将を務める“いぶし銀”は今季が17年目だ。
彼は中学生の頃から柏ユースに所属する正真正銘のバンディエラで、総在籍年数が20年を超えているためか「まだ34歳?」という感も。J1・J2での成績は400試合出場を超えており、2011年にはJ1優勝も経験した。
今季は自身3度目となるJ2での戦いとなっている。チームはやや低調だが、そんな時こそ経験豊富なベテランが頼りになるはずだ。
中村 憲剛(川崎フロンターレ)
在籍:17年目(2003~)
日本を代表する秀才の司令塔も、大谷と並んで今年が17年目となる。
彼がすごいのは「大卒からの加入」であるということ。そして、40手前を迎えた現在でもJ1の3連覇を狙う川崎で重要な役割を果たしていることだろう。
これまで最優秀選手に1度、優秀選手に14度、ベストイレブンに8度も輝いており、今や「ミスター・Jリーグ」といっても過言ではない存在だ。
栗原 勇蔵(横浜F・マリノス)
在籍:18年目(2002~)
日本屈指の身体能力を誇るセンターバックは、クラブ一筋18年目を迎える。
生来の向こうっ気を生かした“喧嘩”スタイルで弱肉強食の世界をのし上がってきた男も今や35歳に。昨年、中澤佑二が引退したためチーム最年長にもなった。
ポステコグルー監督が実践する攻撃的サッカーではチアゴ・マルチンス、畠中槙之輔が不動で出番を得られていないが、まだまだ“若い連中”には負けないでもらいたい。
曽ヶ端 準(鹿島アントラーズ)
在籍:22年目(1998~)
現役最長の“バンディエラ”は黄金世代を彩ったこの男。なんと20年以上も鹿島に人生を捧げている。
彼がすごいのは過去22年に及ぶプロ生活のなかで今まで一度としてJ2でプレーした経験がないところ。王者・鹿島という環境にいながらのこの数字は、何物にも代え難い価値がある。
昨季クォン・スンテにポジションを奪われてしまい現在はベンチとなっているが、いい意味での「諦めの悪さ」でもう一花を咲かせてほしい。