元プロ選手や専門家が教える「野球肘撲滅プロジェクト」が12日、長崎県長崎市の三菱重工総合体育館で行われ、子どもたちが無理のない投球動作や予防法などを学んだ。中高生の故障や、けがが原因で競技生活が短くなる事例が後を絶たない中、早い段階で正しい知識をつけてもらうのが狙い。
長崎市の野球アカデミー「On-deck(オンデック)長崎」と大村市の貞松病院が協力して企画し、小学生を中心に約30人が参加。同病院の医師や理学療法士らのほか、元西武の松永浩典さん、社会人野球の三菱重工長崎などで活躍した山中俊介さん、松尾大吾さんが講師を務めた。
参加者はボールではなく、ペットボトルやタオルを用いて投球時の関節の動き方を確認。小指を上にしてボトルを持ち、山中さんは「ふたが開いた状態で中に水が入っていると思って、それを最後までこぼさないような感じで投げるのが正しい」と伝えた。下半身の使い方も重要で、足の踏み込み方や体重移動の仕方なども講師陣が実践しながら丁寧に指導した。
肘の異常を早期発見する超音波検査や肩肘の可動域の計測のほか、効果的なストレッチなども実施。日々続けるよう呼び掛けた。貞松病院の秋山寛治副院長は「小学生は非常に大事な時期。今は大丈夫でも後々問題が出る可能性がある。痛みがあるのには理由がある。保護者の方にも気をつけてもらいたい」と話した。