給食導入に基地助成金 防衛省、横須賀市で適用拡大

給食センターの建設が予定されている、旧横須賀市立平作小学校の跡地=同市平作5丁目

 防衛省は2019年度、米軍や自衛隊の防衛施設がある自治体に交付する民生安定助成事業の一般助成金として、9億3500万円を横須賀市に交付する。同市は市立給食センター建設や、認定こども園への再編などに活用する考え。従来、公園や道路などの整備を対象にしてきたが、同省が4月に子育て支援施設も加え、全国で初めて同市の事業に適用した。

 この助成金は、防衛施設があることで、市民生活に影響が及ぶ可能性があるとして同省が交付している。

 従来は、公園や道路、ごみ・し尿処理施設といった生活環境施設や農業用施設、漁業用施設などの整備に対し、自治体からの申請に基づいて交付していた。

 これに対し、「適用を子育てにも広げてほしい」との要望が県内でも強く、県と横須賀市などは同省に要望を続けてきた。

 要望を踏まえ、同省は助成金交付に関する法律の施行令の規定に、「子育て支援の総合的な推進を図るために必要な施設」を加え、4月25日に告示。同市が申請した事業への適用を認めた。

 同省は取材に対し、「横須賀市は本来であれば市街地などになっている土地が基地になっており、開発や産業、市民生活、事業活動に著しい影響を与えている」とした上で、「生活環境の改善に資するものであれば、基地への市民の理解につながる適切なものと考えた」と説明した。

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