人気ブロードウェイ・ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』日米オリジナルキャストが史上初めて、ここロサンゼルスで共演を果たした。5月4日、同作ブロードウェイ版で主役を務めたジョン・ロイド・ヤングのライブに日本版出演者の綿引さやかが飛び入り参加。劇中歌『My Eyes Adored You』をデュエットし、オーディエンスを大いに盛り上げた。今回の共演は、綿引がハリウッド・ボウルでの『リトル・マーメイド イン・コンサート』(5月17日&18日)出演のために渡米し実現に至った。
2005年にブロードウェイで上演開始した同作で主役のフランキー・ヴァリを演じたヤングは、米国人俳優として初めて、ブロードウェイデビュー作でトニー賞を含む四大演劇賞主演男優賞を受賞。リードボーカルを務める同ミュージカルキャストアルバムはグラミー賞を受賞し、映画版でも主演した”Mr.ジャージー・ボーイズ”のような存在だ。
世界各国で上演されているミュージカル版の出演者たちはヤングに大いなるリスペクトを抱き、日本版でフランキーの妻メアリーを演じた綿引も例外ではない。当日LA入りしたためリハーサルはなく、ステージ上で打ち合わせをしてのぶっつけ本番となり、 “あこがれの人”と同じステージに立つと感激のあまり涙ぐんだ。しかしいったん曲が始まるとしっかりと切り替え、2人で美しいハーモニーを響かせて聴衆を魅了した。
ライブ後、綿引は「こんなミラクルが私にも訪れるなんて信じられません!感動と興奮であの瞬間は夢見心地でした。国を超えて、フランキーとメアリーとして『My Eyes Adored You』を歌えたことは一生の宝物です」と感無量。
ヤングも「日本のミュージカルスターであるサヤカと一緒に歌えてわくわくしたよ。『ジャージー・ボーイズ』はミュージカルも映画も日本ですごく人気があることは知ってる。日本に行って、サヤカと一緒に彼女の母国で歌い、僕を待ってくれているファンのみんなにぜひ会いたい。そのうち実現すると思うよ!」と共演をよろこんだ。
ここ数年、日本でも数多くのブロードウェイ作品が上演されミュージカル人気は上昇中だ。映画版の大人気にも後押しされた『ジャージー・ボーイズ』は2016年(東京)、2018年(全国ツアー)に日本人キャストで上演され、数々の賞を受賞。ブロードウェイオリジナルキャストかつ映画版主演のヤングの来日を熱望する声も多い。
今回の日米“夫婦”共演がファンの願いをかなえる第一歩となったのは間違いない。音楽に国境はなく、ことばの壁を超えて人はつながることができる。あらためてそう感じさせられたライブだった。