ジロ・デ・イタリア第8ステージはユーワンが区間優勝

第102回ジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)は、5月18日にトルトレット・リードからペーザロまでの239 kmで第8ステージを競い、オーストラリアのカレブ・ユーワン(ロット・スーダル)が、集団ゴールスプリントでイタリアチャンピオンのエリア・ヴィヴィアーニ(ドゥクーニンク・クイックステップ)とマリア・チクラミーノのパスカル・アッカーマン(ボーラ・ハンスグローエ)を打ち負かして区間優勝した。

ユーワンがジロで区間優勝したのは、2017年以来2度目だった。総合リーダーのマリア・ローザは、イタリアのバレリオ・コンティ(UAEチーム・エミレーツ)が守った。

今年のジロで最長距離(239 km)の第8ステージは164選手が出走。スタートしてすぐにマルコ・フラッポルティ(アンドロニジョカットリ・シーデルメック)、ダミアーノ・チーマ(NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ)、ネイザン・ブラウン(EFエデュケーションファースト)がアタック。ブラウンはすぐ集団に戻ったが、フラッポルティとチーマの2人は逃げ続け、107km地点で最大6分差を付けた。

集団はUAEチーム・エミレーツとボーラ・ハンスグローエが引き、ゴールまで残り70kmで逃げのタイム差は3分に縮まっていた。集団ではカテゴリー2のマッテラ山を、マリア・アッズーラを着たジュリオ・チッコーネ(トレック・セガフレード)が集団の先頭で通過した。

集団はロット・スーダルが引き、ゴールまで残り50kmでタイム差は1分半になった。残り40kmでタイム差は26秒になり、チーマは集団に戻ったが、フラッポルティは逃げ続けた。カテゴリー4の丘が近づき、集団からチッコーネが飛び出し、ゴールまで残り36kmで先頭のフラッポルティに追いついた。

カテゴリー4の丘を先頭で通過した後、チッコーネはフラッポルティと一緒に先行。しかし、2人とも下りで集団に吸収された。最後のカテゴリー4の丘が近づくと、集団からルイス・ブルバーク(チームサンウェブ)が飛び出し、チッコーネが追走した。さらにフランソワ・ビダール(AG2R・ラモンディアル)が合流し、3人で丘の頂上を通過した。

下りで雨が降り出し、3人は集団に一時40秒以上のタイム差を付けたが、集団はロット・スーダルが引き続け、タイム差を縮めていった。雨はすぐに止み、逃げはゴールまで残り6.6kmで集団に吸収された。

最後はボーラ・ハンスグローエとドゥクーニンク・クイックステップが集団コールスプリントで優位に立とうと先頭を引いたが、ゴールまで残り250mのカーブを曲がった後、最後のスパートで競り勝ったのはロット・スーダルのユアンだった。

■ジロで区間通算2勝目を上げたユーワンのコメント
「今日はチームの決意と助けが、ボクを勝者にしてくれた。我々はこの勝利を得るために、何日も努力を続けていた。このステージで勝てて、本当に嬉しい。最後のコーナーで先頭になりたかったが、まだ道のりは長かった。だからアッカーマンの後ろから飛び出して上手く行った。自分が良いキックを持っているのは分かっていて、それで彼を追い抜けたのさ」

第8ステージはUCIのラパルティアン会長がマリア・ローザのプレゼンテーターを務めた

■第8ステージ結果[5月18日/トルトレット・リード~ペーザロ/239 km]
1. EWAN Caleb (LOTTO SOUDAL / AUS) 5h 43’ 32”
2. VIVIANI Elia (DECEUNINCK - QUICK-STEP / ITA)
3. ACKERMANN Pascal (BORA - HANSGROHE / GER)
4. SABATINI Fabio (DECEUNINCK - QUICK-STEP / ITA)
5. BELLETTI Manuel (ANDRONI GIOCATTOLI - SIDERMEC / ITA)
6. DEMARE Arnaud (GROUPAMA - FDJ / FRA)
7. CIMOLAI Davide (ISRAEL CYCLING ACADEMY / ITA)
8. CANOLA Marco (NIPPO - VINI FANTINI - FAIZANE' / ITA)
9. NIZZOLO Giacomo (TEAM DIMENSION DATA / ITA)
10. SELIG Rüdiger (BORA - HANSGROHE / GER)
155. HATSUYAMA Sho (NIPPO - VINI FANTINI - FAIZANE' / JPN) 11’ 53”

■第8ステージまでの総合成績
1. CONTI Valerio (UAE TEAM EMIRATES / ITA) 35h 13’ 06”
2. ROJAS Jose' (MOVISTAR TEAM / ESP) 1’ 32”
3. CARBONI Giovanni (BARDIANI CSF / ITA) 1’ 41”
4. PETERS Nans (AG2R LA MONDIALE / FRA) 2’ 09”
5. MADOUAS Valentin (GROUPAMA - FDJ / FRA) 2’ 17”
6. ANTUNES Amaro (CCC TEAM / POR) 2’ 45”
7. MASNADA Fausto (ANDRONI GIOCATTOLI - SIDERMEC / ITA) 3’ 14”
8. SERRY Pieter (DECEUNINCK - QUICK-STEP / BEL) 3’ 25”
9. AMADOR Andrey (MOVISTAR TEAM / CRC) 3’ 27”
10. OOMEN Sam (TEAM SUNWEB / NED) 4’ 57”
163. HATSUYAMA Sho (NIPPO - VINI FANTINI - FAIZANE' / JPN) 1h 26’ 59”

[各賞]
■ポイント賞(マリア・チクラミーノ):ACKERMANN Pascal (BORA - HANSGROHE / GER)
■山岳賞(マリア・アッズーラ):CICCONE Giulio (TREK - SEGAFREDO / ITA)
■新人賞(マリア・ビアンカ):CARBONI Giovanni (BARDIANI CSF / ITA)

ジロ公式サイト

第9ステージは丘の上のサンマリノ共和国にゴールする個人TT

(MAP : RCS Sport)
(MAP : RCS Sport)

5月19日はリッチョーネからサンマリノまでの34.8kmで個人タイムトライアルを競う第9ステージが行われる。サンマリノは丘の上にある小さな共和国で、コースの序盤は平坦だが、次第に上り坂になり、22.2kmの第2計測地点からは12kmで平均勾配4.5%の登坂がスタートする。

日本から参加している初山翔(NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ)は、現地時間12時51分にスタートする予定だ。

第8ステージも総合首位の座を守ったイタリアのバレリオ・コンティ(UAEチーム・エミレーツ)は、レース終了後に「危険な下り坂のせいでハードなゴールだった。でもボクは大きなチームを持っていて、今日はとてもよく守られていた。明日の個人タイムトライアルの後もマリア・ローザは守れると思うよ」と、語っていた。

第8ステージのハイライト映像

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