老舗再建目指した美濃屋吉兵衛商店、破産手続き 小田原

「美濃屋吉兵衛商店」の直営店舗=小田原駅東口

 東京商工リサーチ横浜支店によると、練り物製造販売の美濃屋吉兵衛商店(小田原市)が22日までに破産手続きに入った。同社の前身は、室町時代に創業した同名の老舗。経営悪化を受け、3年前に社名と事業を引き継いで再建を目指したが、振るわなかった。負債総額は不明。

 旧・美濃屋吉兵衛商店は1948年に設立された。かまぼこや漬物を販売し、練り物が皇室献上品に選ばれるなど小田原を代表する企業として知られたが、日本食離れで経営不振に陥り、2015年に民事再生法の適用を申請。17年10月に事実上倒産した。

 現・美濃屋吉兵衛商店は、前身の経営難を受けて15年に設立され、翌年に従業員が転籍して事業を継承した。一部の販売店舗を閉じるなど規模を縮小して建て直しを図ったものの、売り上げ低迷が続き、資金調達も進まなかった。

 17年1月期の売上高は4億円。直近は小田原市と箱根町に2店舗を構えていた。

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