巨匠の人となりを伝え 横浜で横山大観展、愛用品など展示

横山大観の作品に見入る来場者=横浜高島屋ギャラリー

 日本画の巨匠、横山大観(1868~1958年)が暮らした東京・上野の自邸と大観の収集品や愛用品を通して、大観の人となりを伝える展覧会「画業と暮らしと交流 大観邸」が22日、横浜駅西口の横浜高島屋ギャラリーで始まった。6月4日まで。神奈川新聞社などの主催。

 台東区池之端にある大観の自邸は現在、横山大観記念館として一般公開されている。1908年から亡くなるまでを過ごし、創作と交流の場となった。2階建ての数寄屋風日本家屋で、建築と作庭には自らのアイデアを盛り込むなど力を注いだ。2017年に国の史跡・名勝に指定された。

 建築に関するスケッチの他に、日本美術院の画家仲間を中心とした収集品や絵付けした陶磁器、静子夫人のためにデザインした帯や着物、大観自身の作品といった幅広い展示品約140点が並ぶ。

 大観は生涯、弟子を取らなかったが、還暦祝いに贈られた画帖(がじょう)には、下村観山や木村武山ら一人一人が敬意を込めて描いた作品が収められている。

 大観のひ孫の妻に当たる同館の横山優子事務局長は「作品はよく知られているが、住まいがそのまま残っていることや生活の様子は知られていない。これを機に、画家仲間や妻との関係など、人間的な部分をご覧いただければ」と来場を呼び掛けた。

 一般800円、高校・大学生600円、中学生以下無料。問い合わせは横浜高島屋電話045(311)5111。

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