養殖イワガキ出荷開始 濃厚でクリーミー

出荷サイズに成長したイワガキ

 長崎市の戸石・牧島地区で夏の味覚、養殖イワガキの出荷が始まった。市水産センター(牧島町)が生産した種苗を同地区の生産者が育てた“長崎市生まれ長崎市育ち”のイワガキ。ピークは7~8月で、約3トンの出荷を計画している。

 市たちばな漁協かき部会の6業者が養殖。イワガキは、冬に旬を迎えるマガキに比べて味が濃厚なのが特長。2009年から同センターが生産した種苗を使った試験養殖に取り組み、約5年前に本格出荷に移行した。今年は15日に初出荷となった。

 同部会の福島政茂部会長(47)は「ジューシーで甘みがあり、クリーミーな味わい。まさに三拍子そろっている。多くの市民に食べてもらい、県外にも広めていきたい」と話す。イワガキは戸石フレッシュ朝市(戸石町)で、1キロ1200円で販売中。営業時間は午前7時~午後1時で、火曜定休。

 22日には牧島町沖で、市水産センターが育てた稚貝約1万5千個を生産者に分譲する作業があった。同センターが、センター産や市内の天然のカキから採卵し、約300日かけて3センチ程度になるまで育てた。稚貝は2~3年かけ、出荷サイズの300グラム程度に成長するという。

養殖業者への分譲作業で、海中からイワガキの稚貝を引き揚げる長崎市水産センターの職員=同市牧島町沖

© 株式会社長崎新聞社