【登戸児童殺傷】容疑者の男 住民と交流なく

 複数の住民によると、容疑者(51)は川崎市麻生区の自宅で、おじ夫婦と3人で暮らしていた。幼少に実親が離婚し、おじに引き取られたという。

 交流はほとんどなく、町内会役員も存在自体を知らなかった。住民は「あの家に容疑者が住んでいたことも知らなかった」と口をそろえる。区内の同じ市立小学校に通っていた男性(55)も「もう何十年も見かけていない」と話した。

 この男性によると、容疑者には年上に当たる男女のいとこがいたが、2人は既にこの家を離れ、数十年前からおじ夫婦と3人暮らしだった。幼少に容疑者と遊んだといい、「いとこにずっとくっついていた弟のような存在だった。問題行動を起こすような性格でなく、一般的な子どもという印象しかない」と話した。

 近くに住む女性によると、容疑者は最近になって丸刈りにしたが、「どんな心境の変化があったのかは分からない」と話した。

 28日午後、捜査員が自宅に現れ、住民は不安そうに見守った。夫婦と親しい70代の女性は報道を受けて自宅を訪ねたが、応答はなかったという。容疑者は死亡し、「おじ夫婦も困惑しているはず。気の毒だ」と話した。

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