U-20W杯、MVPを獲得した「スーパースター」たち

今月開幕を迎えたU-20ワールドカップ。日本代表はエクアドルに1-1、そしてメキシコに3-0と、「死の組」と呼ばれた組み合わせの中で好発進を見せている。

若手選手の登竜門とも言われる大会からは、これまでも多くのスター選手が生まれてきた。今回はMVPを獲得した選手の中から有名になっていった者を特集してみよう。

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なお、得点王&MVPを同時受賞した3名のスター選手については下の記事で特集しているぞ。

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ポール・ポグバ(フランス/2013年大会)

2013年にトルコで行なわれたU-20ワールドカップ。初めて優勝を果たしたのがフランスだ。若手育成に本気で取り組んだ成果が出たと言える。

「眠れる巨人」ヤヤ・サノゴや酒井宏樹の現同僚フロリアン・トヴァンらがゴールを量産するなか、MVPに選ばれたのはPKの1点のみであったポール・ポグバ。その存在感は明らかなものだった。

すでにこの時マンチェスター・ユナイテッドからユヴェントスへと移籍して1年目のシーズンを終えていた。そしてこの次の年にはさらに成長を見せ、ビアンコネーリの絶対的な中心選手となったのだ。

セイドゥ・ケイタ(マリ/1999年大会)

1999年に行なわれたワールドユース・ナイジェリア大会。フィリップ・トルシエ監督が率いていた「ゴールデンエイジ」の日本代表が2位という好成績を収めた。

優勝したのはスペインだったが、圧倒的なインパクトを残したのは3位に入ったマリ代表のMFセイドゥ・ケイタだった。

この段階ではまだマルセイユのユースに所属しており、世界的には全くの無名。しかし2000年に移籍したロリアンでレギュラーを掴むと、その後RCランスで大活躍。セビージャを経て2008年にはバルセロナへと移籍し、世界最高のクラブで重要な役割を担う選手となった。

ビスマルク(ブラジル/1989年大会)

世界的にはそれほどではないかもしれないが、日本では間違いなくトップクラスの知名度を誇る存在になったスーパースターだ。

「お祈りポーズ」のゴールパフォーマンスで有名だったビスマルクは1989年大会での最優秀選手。ブラジル代表は旧宗主国ポルトガルに屈して3位に終わったが、彼はソニー・アンデルソンやマルセロ・エンヒキとともに3ゴールを決めて輝きを見せた。

その直後のコパ・アメリカ、次年度のワールドカップではA代表にも入ったが、彼が1993年に選んだのは創設間もないJリーグへの移籍だった。ヴェルディ川崎、鹿島アントラーズで長く活躍を見せ、一度帰国したが2003年にヴィッセル神戸で現役を引退している。現在は代理人事務所を経営。

なお、ワールドユースMVP経験者のJリーガーはもうひとりおり、1998-99年に京都パープルサンガ(当時)に所属したシーラスが1995年の受賞者だ。

ロベルト・プロシネツキ(ユーゴスラヴィア/1987年大会)

1987年大会で18歳ながらMVPを獲得したのが、後のクロアチア代表MFロベルト・プロシネツキだった。

ズヴォニミール・ボバンやダヴォール・シュケル、プレトラグ・ミヤトヴィッチら名選手が揃ったユーゴスラヴィアは快進撃を見せ、ファイナルまでの5試合を全て複数得点で連勝。決勝戦では西ドイツをPK戦の末に破り、大会を制覇した。

この年の夏まではディナモ・ザグレブでほとんど出場できない状態の若手選手に過ぎなかったが、大会前にツルヴェナ・ズヴェズダへ移籍。ドラガン・ストイコヴィッチらと共に強力な攻撃陣を形成し、数ヶ月で一気に名を上げた。

1991年にはレアル・マドリーと契約し、1995年にはバルセロナへ「禁断の移籍」をしたことでも有名。現在はボスニア・ヘルツェゴヴィナ代表監督を務めている。

ディエゴ・マラドーナ(アルゼンチン/1979年大会)

そしてワールドユースMVPという枠組みでは外すことができないのがディエゴ・マラドーナ。しかもこの1979年大会は日本で行われたものだった。

ユーゴスラヴィア、ポーランド、インドネシアに3連勝。圧倒的な強さでグループステージを首位通過したアルゼンチンは、決勝トーナメントでもアルジェリア、ウルグアイ、ソビエト連邦を撃破。文句なしの優勝を果たしている。

得点王になったのは8ゴールのラモン・ディアスであったが、MVPのマラドーナも6ゴールとランキング2位。数字だけを見てもダントツの存在感だった。

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マラドーナはこの時まだアルヘンティノス・ジュニオルスに所属していたが、すでにA代表にデビュー済。1981年に愛するボカへ移籍し、1982年W杯の後にバルセロナへと羽ばたいていった。

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