日本時間の本日深夜、アーセナルとのUEFAヨーロッパリーグ決勝を迎えるチェルシー。
今季のプレミアリーグではマンチェスター・シティ、リヴァプールから大きく離された3位に終わったものの、ELでは貫禄の違いを見せ付けた。
ただフランクフルトとの準決勝はPKの末に勝ち上がっており、スタンフォード・ブリッジで行われた2ndレグの後半以降はむしろ押し込まれる展開だった。
それを救ったのが「3つのディフェンス」である。決戦を前に、改めてご紹介しよう。
ダヴィド・ルイス
同点とされて以降は完全に主導権を握られたチェルシー。それは延長戦にもつれ込んでからも変わらなかった。
そして100分(延長前半10分)、右サイドを破られるとクロスをフランクフルトFWセバスティアン・アレルに合わせられ、ボールは緩やかだが確実にゴールへ吸い込まれようとしていた。
しかしそこに…
ダヴィド・ルイスが出現!自慢の髪の毛を振り乱しつつ右足をいっぱいに伸ばし、脛のアウトサイドでボールを掻き出して事なきを得ることに成功したのである。
身体能力が高く、アクロバティックな技も得意とする彼ならではの超人的なプレーであった。
ダヴィデ・ザッパコスタ
実はこの試合では3つの“神クリア”が生まれている。
前半、今や「ライン際の貴公子」ならぬ「ゴールライン上の皇帝」と化した長谷部誠、前述のダヴィド・ルイス。そして3つ目がザッパコスタのこれだ。
コーナーキックを合わせたアレルのヘディングシュートは完璧で確実に枠を捉えていたが、ザッパコスタがこれを間一髪でクリア!
リプレイ映像を見るとザッパコスタはボールが自分に届かないことを確認した瞬間、咄嗟の判断でポジションを移していることが分かる。つまり決して偶然に生まれたものではなく、技術に裏打ちされた守備だったのだ。
しかしたった5分ほどの間に二度も“神クリア”に得点を阻まれたアレルもなかなか不憫な男である。
ケパ・アリサバラガ
PK戦にまでもつれ込んだこの試合。チェルシーは先に一人が失敗し、絶体絶命の状況に追い込まれていた。
しかし全ての流れを変えたのがこのプレーだ。
フランクフルトの4番手マルティン・ヒンターエッガーのキックを、守護神ケパはなんと膝で挟むようにセーブしたのだ。
PKにおいて、GKが左右に飛ばないのはかなり稀なこと。現地ではPK戦前にGKコーチ陣が何かの映像を分析しており、ケパに指示があったのではないかとも話題となった。
ただケパは「強いシュートを打ってくることは分かっていたけれど、高いのか右なのか左なのかは分からなかった。ちょっとツイていたと思う」とコメント。
【関連記事】イグアイン、練習中に“謎”のブチギレ!EL決勝を控えるチェルシーは険悪ムードに(動画あり)
今季は「前代未聞」とも言われた交代拒絶の大騒動を起こしたケパ。しかし現在ではデ・ヘア以上に支持を受けており、その評価はうなぎのぼりだ。