トランプ再訪に向けて警察は本格的に“闇民泊”を取り締まりはじめた 大阪で6月にG20サミット開催

悪い奴らとは、こうも頭が回るのである(写真はイメージです)

令和初の国賓・トランプ大統領来日が、やや過剰とも思えるほどの注目を集めたのは周知の通り。実はこのトランプ大統領、約1カ月後の6月28、29日に行われる20カ国・地域首脳会議、いわゆるG20サミットでも再び我が国を訪れる予定だ。

その開催地となる大阪では、その地ならしが急ピッチで進められているのだが、そんななか産経新聞(5月18日)の報道に注目すべきモノがあった。それは、大阪府警と大阪市が「客引き」や「スカウト」の一斉取り締まりと、約4800の「民泊施設」の調査を開始した、という記事である。

客引きに関しては、すでに本サイトや他メディアでも報じているよう、半グレ集団の関与も疑われる高額のボッタクリ事件がミナミ・キタの双方で多発している。また、今回の一斉取り締まりでも、私服の女性警察官に声をかけたスカウトが府の迷惑防止条例違反で逮捕された。

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記事によれば、大阪市や府警など行政側は、このG20サミットを機に“クリーンな大阪”を世界に発信したい意向があるという。確かに、いまや無法地帯化しつつある大阪の歓楽街が少しでも安全になればいいのだが、元はと言えばそれまで放置してきたのは大阪府警などの行政であって、正直、泥縄感がなくはない。

とまれ、ここで注目したいのは客引きやスカウトの摘発のみならず、民泊施設の調査を行政がクリーン化の主軸にした、そのワケだ。

民泊に関しては、2018年6月15日に施行された住宅宿泊事業法(民泊新法)によって、一般住宅の民泊参入が可能になった。そのことによって、ホテル不足に悩むインバウンド需要を取り込むことに成功したのは事実だが、その反面、本来とは違った使われ方をする“グレーゾーン”の民泊も出現する事態となっている。

その一例が、民泊施設を使った風俗営業だ。いや、そもそも許可など取っっていない(取れない)のだから、風俗営業店というより単なる違法店ということになる。当然ながら、売春防止法を気にする必要もないので、本番もアリだ。

今回、市や大阪府警が客引きやスカウトと並んで、民泊施設の調査を加えたのはこのような「事情」と無関係ではあるまい。

実際、今回の動きとは別に、一部行政書士事務所などはインターネット上で、風俗営業と“並んで”民泊申請の手続きもアピールしているケースがある。これまた、民泊の手続きや実態のなかに、グレーゾーン的にものがあり、それらの手続きが煩瑣であるという証左とみることが出来る。

なんにしても、今後、民泊を使った風俗事案の摘発が増えることが予想される。G20云々は別にして、ボッタクリや強引のキャッチとともに、風俗業界自身が適正化を心がける必要がある。(文◎鈴木光司)

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