長崎県 再び30度超の暑さか 運動会の時間短縮も 県高総体、熱中症に警戒

照り付ける日差しの下、高総体に向け練習する高校生ら=長崎市営松山陸上競技場

 日本列島は高気圧に覆われ、各地で5月の最高気温の記録を更新するなど厳しい暑さに見舞われている。長崎県も25日、今年初めて最高気温が30度以上の真夏日を観測。こうした中、先週末に運動会を開いた小学校では、時間短縮や水分補給の時間を設けるなど熱中症対策に追われた。長崎地方気象台によると、29日から来週にかけて長崎県内は気温が上昇し、再び30度を超える可能性もありそうだ。

 長崎県内の多くの小学校で運動会が開かれた26日。長崎市は最高気温が30.3度まで上がり、12年ぶりに5月の真夏日を観測した。長崎市立西坂小(野中志朗校長)は、高温予報などを受け、事前にプログラムの短縮を決定。保護者参加競技を中心に6種目を取りやめたほか、昼食も省き、正午すぎに運動会を終えた。同校は「子どもたちの健康を第一に考え、午後1時~2時の暑い時間帯を外した」と理由を説明する。

 6年生の男児(11)は「最後の運動会が短くなって少し悲しい。(中止になった)綱引きを楽しみにしていたのに…」と残念そう。5年生の男児の母親(44)は「熱中症の児童が出たら大変。学校はいい判断をした」と理解を示した。

 各市町の教育委員会によると、雲仙市、佐世保市の一部の学校でも同様に時間を短縮して実施。島原市や東彼3町などでは運動会中に給水時間を随時設けた学校もあった。

 気象庁は長崎県を含む九州北部地方に対し、高温に関する「異常天候早期警戒情報」を発表。6月2日からの1週間は平年に比べ高温になると予想している。

 6月1日~7日は長崎県高校総合体育大会が開かれ、32競技に1万人以上の高校生が参加する予定だ。長崎県高体連は「全国でも熱中症患者が出ている。各競技の専門部に再度注意喚起し、対応していきたい」としている。

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