信頼性不足に悩んだルノーF1、「パワーユニットの基本的な部分に問題があった」と代表が明かす

 ルノー・スポール・レーシングのマネージングディレクターであるシリル・アビテブールは、第2戦バーレーンGPでパワーユニットの基本パーツに欠陥があることが分かり、スペインGPでアップグレードを行うまでの間、本来のパワーを発揮することができなかったと明かした。

 ニコ・ヒュルケンベルグとダニエル・リカルドは、バーレーンGP決勝終盤、ほぼ同時にトラブルによるリタイアを喫した。

 当初ルノー首脳陣はMGU-Kに問題を抱えていると発言していたが、ヒュルケンベルグのトラブルによってコンロッドに問題があることが分かったのだという。

「この冬、我々はパワーを向上させることに集中してきた。競争力のアップを図ってきたのだ」とアビテブールはモナコGPの週末に語った。

「意識的に、信頼性を犠牲にしてもパフォーマンスを向上させようと決めた」

「そのため、ダイナモで信頼性向上の作業をするはずのエンジンを多数、パフォーマンス改善のための作業に使ってきた」

「その結果、エンジンパワーの面ではいいスタートを切ることができたが、信頼性は標準を下回った」

「理由はふたつある。ひとつはご存じのとおり、MGU-Kだ。もうひとつはこれまで明かしてこなかったことだ。バーレーンでのニコのトラブルは、実際にはコンロッドの問題だった。壊れてほしくないパーツの典型だ。エンジンの基本的なパーツだからだ」

■「スペック2で問題を修正」とアビテブール

 バーレーン後、ルノーはコンロッドのデザインの欠陥を修復するための作業に取り組んだ。対策を完了するまで、ルノーはエンジンのパフォーマンスを抑えて使用するしかなかったという。

「冬の間にはこの問題に気付かなかった。バックアッププランを用意していなかったのだ。同時に、対応策としてパワーを大幅に下げて走らなければならず、それがチームにとって大きな打撃となった」とアビテブールは言う。

「しかしチームの全員が素晴らしい仕事をした。5週間のなかで問題を特定し、理解し、新しいデザインを作り上げ、新しいパーツを調達し、テストし、スペインに間に合うようにワークスチームとマクラーレンのための新しいエンジンを製造した」

「そういうわけでスペインで新しいエンジンを導入した」

 スペインGPでテストを行った後、モナコではパワーをフルに使用することができると、予選前にアビテブールは述べていた。「決勝ではフェラーリおよびメルセデスと同レベル、予選ではフェラーリの下」のポテンシャルがあると彼は主張し、実際、リカルドとヒュルケンベルグはパワーユニットに関してポジティブな感想を示していた。しかし決勝でリカルドは戦略がうまくいかず、ヒュルケンベルグはシャルル・ルクレールとの接触により、2台とも期待どおりのリザルトを残せずに終わった。

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