【登戸児童殺傷】子どもの集合場所を重点パトロール 政府、閣僚会議で対策確認

 政府は29日、川崎市多摩区の児童殺傷事件を受けた関係閣僚会議を開いた。これまで対策の必要性が十分に共有されていなかった、登下校で子どもが集まる場所を集中的に点検し、警察が重点的にパトロールすることを確認。スクールバスの停留所や集団登校の集合場所を想定する。

 会議で安倍晋三首相は、通学路の点検に加え、徹底した捜査による全容解明と、警察や学校が把握した不審者情報を共有する仕組みの強化を指示した。文部科学省や警察庁が具体的な対応を検討する。

 通学路の安全対策を巡っては、政府は昨年5月に新潟市で下校中の小2女児が殺害された事件を受け、「登下校防犯プラン」を策定。学校や警察、保護者らが連携して、全国の各小学校の通学路の緊急点検が行われた。ただ、新潟の事件は下校中の女児が1人になった際に連れ去られたとみられ、「見守りの空白地帯」をなくすことに対策の主眼が置かれた。このため、「子どもが集まる場所は危ないと、はっきり示していた訳ではなかった」(内閣官房の担当者)という。

 政府関係者は「これまでは登下校時に子どもが集まる場所の情報が、警察などと十分に共有されていなかった。『見せる警戒』を含めて、重点的に対策を進めたい」と話す。

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