横浜大空襲の犠牲者を追悼 横浜の平和記念碑、内部を公開

子どもたちに空襲体験を語る岡野利男さん=横浜市中区

 横浜大空襲から74年を迎えた29日、横浜市中区の平和祈念碑で、遺族らが犠牲者を追悼した。普段は施錠されている碑内部が公開され、巻き込まれた891人の氏名を刻む銘板に合掌し、平和を誓った。

 横浜戦災遺族会顧問の岡野利男さん(90)=中区=らが、訪れた地元小中学生に空襲体験を伝えた。自身は勤務先の造船所で空襲に遭遇し、高台まで避難した。警防団だった父親の勇さんは活動中に被災し、49歳で亡くなった。

 岡野さんは「横浜は復興し、風景は一変したが、戦争を絶対しない気持ちは変えてはいけない」と子どもたちに伝えた。市立南吉田小3年の神藤実羽さん(8)は「平和の大切さを知った」と話した。

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