逗子の花火大会補助金 市議会本会議で一転可決 9月予定

約7千発の花火が夜空を彩る逗子海岸花火大会(2018年)

 逗子市議会臨時会は31日、本会議を開き、逗子海岸花火大会開催のため、市観光協会に支出する補助金1300万円を計上した2019年度一般会計補正予算案を可決した。

 市が昨年、全額カットした補助金が復活。約10万人が訪れる市の一大イベントは9月27日に開催を予定し、同協会が準備を進める。ただ、市によると、開催費用は約5700万円を見込み、さらに資金集めが必要となっている。

 採決の結果、賛成10、反対6だった。30日の総務常任委員会では否決されたが一転、可決された。

 賛成した田中英一郎氏(公明)は「財政が厳しい今だからこそ、市民に希望を与える花火大会が必要」と主張。反対を表明した岩室年治氏(共産)は「福祉や教育の予算が削られ、財政の改善がはっきり見られない中、補助金復活の判断は非常に難しく、開催は見送るべき」と訴えた。

 市民の心境も複雑だ。パート女性(40)は「財政難の中で一日に1300万円消えることに反対する人もいると思う。でも事業を何でもカットするのはさみしいし、難しい」。主婦(38)は「規模を小さくしたり、開催を2年に1回にしたり、継続するために花火大会のあり方も検討してほしい」と注文した。

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