「これじゃ、生中継の意味ないじゃん」
格闘技ファンは誰もがそう思ったでしょう。6月2日にフジテレビで放送されたキック界の「神童」那須川天心vsISKA世界バンタム級王者・マーティン・ブランコ選手の一戦。日曜の夜7時からの生中継という素晴らしい時間帯でのRIZINの興行。
それほど満を持しての放送なのに、これはもう「放送事故」が起きたと言っても良いでしょう。
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生中継での試合は、山本美憂選手vs朝倉カンナ選手、浜崎朱加選手vsジン・ユ・フレイ選手でした。そして最後を飾る、メインイベントには那須川天心選手を要したRIZIN.16。国歌まで流してイベント性を高めた興行でした。因みにセミファイナルの山本vs朝倉戦、浜崎vsフレイユ戦は激闘でした。盛り上がる会場。
メインイベントでの天心選手がどんな戦いを見せるのか、どういう勝ち方をするのか。結果は誰も分かりません。だって生中継だから。もしかしたら天心選手が負けるかも知れない。その生中継の醍醐味を味わっている最中でした。
1Rは両者、様子見で終わります。そして2R途中、ブランコ選手が目じりをカット。ドクターチェックを受けることになりました。ここでCMが入ります。画面には60秒間のCMというテロップが流れます。
そしてCMがあけました。
画面がリングに戻ったとたん、アナウンサーの能天気な絶叫「ダウーン!」。
ブランコ選手がリングにへたりこんでいます。天心選手が手を挙げてニュートラルコーナーにアピールします。
「あれ? 何でダウンしたの? キック? パンチ?」
そう、CMのおかげで肝心のダウンシーンが流されなかったのです。これでは生中継の意味がありません。最初から録画で良かったのではないでしょうか。
もちろんスポンサーは大事です。スポンサーあってのテレビ中継。しかし、視聴者も大切にして欲しいですね、フジテレビさん。ファンが離れないことを祈ります(天心選手にも失礼ですね)。(文◎編集部)