ハクビシンなど夜行性生物の生態を調査 相模原で企画展

自動撮影カメラに写っていたタヌキ(相模原市立博物館提供)

 市街地で暮らすタヌキやハクビシン、イタチ、フクロウといった夜行性の生物を紹介する企画展「闇に生きる 相模原にすむ夜行性の生きもの」が、相模原市中央区高根の市立博物館で催されている。学芸員が3年半にわたって撮りためた映像には、伸び伸びと暮らす野生動物の夜の姿が写っており、暗闇が生物の多様性を保っていることも伝えている。7月7日まで。

 身近な野生生物の世界を多くの人に知ってもらおうと、同館が企画した。哺乳類や鳥類の剥製や昆虫の標本、写真など約80点を展示しているが、中でも注目は生物の暮らしぶりを伝える映像のコーナーだ。

 市街地にありながら豊かな樹林がある博物館周辺に暮らす4匹のタヌキの生態を動画で紹介。追い駆けっこをしたり、土の中から何かを見つけて食べたり、鳴き声を上げて仲間を呼んだりする姿をとらえている。

 ほかにも映像には、イタチやハクビシン、アナグマ、フクロウなど9種類の動物が登場する。

 撮影したのは、同館学芸員の秋山幸也さん。人に手入れされている樹林にけもの道を探し、自動撮影カメラを設置。3~4日おきに映像を確認し、設置場所を変えながら撮影を続けてきたという。

 「もっと自然が豊かな地域に生息すると考えていたイタチやアナグマが写っていたことに驚いた」と秋山さん。「市街地の闇によって生物の多様性が保たれていることを知ってほしい」と期待している。

 また会場では、ノウサギやムササビ、アカネズミ、カエル、昆虫などの生態も詳しく紹介している。期間中は関連企画も用意、8日には昆虫見学会、15日と23日には光明学園相模原高校演劇部による絵本の読み聞かせ会がある。

 企画展は午前9時半~午後5時、入場無料。毎週月曜日と6月25、26日は休館。問い合わせは、同館電話042(750)8030。

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