長崎半島の魅力 全国にPR 観光パンフレット好評 長崎・野母半島パワースポット発信塾

「長崎・野母半島パワースポット発信塾」が作製した観光パンフレット

 長崎半島の魅力を全国にPRしようと、昨年度発足した長崎伝習所「長崎・野母半島パワースポット発信塾」(中村奈美塾長)。長崎半島の歴史や文化、見どころなどをジャンル別にまとめた観光パンフレットを今年3月に作製し、好評を得ている。活動2年目の本年度はパンフレットを増刷して首都圏でも配布し、観光客誘致を目指して取り組んでいく。

 発信塾は東京都内を拠点に活動している。長崎半島出身者のほか、メンバー30人のうち約半数は県外出身者が占める。昨年5月から都内の図書館で文献に当たり、長崎半島を巡って歴史や伝承、現状などを調査してきた。長崎史談会の有識者の協力を得て、アドバイスを参考にしながら収集した情報を編集。今年3月にパンフレットを完成させた。

 初版の500部は同月に長崎市内で開かれた「伝習所まつり」などのイベントで配布し、好評だったためすぐに600部を増刷。今後は地元のスポンサー企業を募ってさらに発行部数を増やし、首都圏でのイベントで配布することを目指している。

 パンフレットでは、長崎半島の見どころを(1)唐(中国)由来(2)武家由来(3)キリシタン由来(4)自然崇拝由来(5)伝説など-5ジャンルに分類した。このうち唐由来としては、弘法大師(空海)が中国に渡る際に航海の無事を祈って祈祷(きとう)したとされる山に開創された円福寺(長崎市香焼町)や、日本黄檗宗(おうばくしゅう)の開祖である隠元禅師ゆかりの寺院などを紹介している。

 パンフレットにはQRコードを載せており、読み込めばご当地の紹介動画を見ることができる。また土井首地区に自生している果実「ゆうこう」などの特産品情報のほか、散策モデルコースも紹介している。

 これから観光客誘致をテーマに据えて活動の幅を広げる。長崎市三和町出身の中村塾長は「長崎半島には貴重な文化的財産が多いが、これまでなかなか注目されずに廃れつつあった。県民はもちろん、全国の人に魅力を知ってほしい。地域活性化のためにも、今後は民間の旅行会社とタイアップして、全国から観光客を呼び込めるアイデアも発信していきたい」と意気込みを語る。

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